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リシュブルーが日本酒由来のスキンケア「蔵寿-coolage-」のクラウドファンディングを開始

2023-01-16 10:12:55

海外での日本酒の消費が右肩上がりである一方、国内に目を向ければ消費量は落ち込み、若者の日本酒離れが叫ばれている。そんな現状を知り、「日本酒業界や酒蔵を元気にしたい」と立ち上がったのが株式会社リシュブルー代表の中村優志氏だ。日本酒由来のスキンケア商品「蔵寿-coolage-」(クラージュ)の展開で、日本酒に縁のない若年層を引き込む狙いだ。

▼商品名から質までこだわり抜いた商品

「コンセプトは若い人を含む日本酒を飲まない層と日本酒の距離を縮めること」と語る、中村代表の希望がかなう日も遠くないかもしれない。2022年12月12日より「Makuake」において、「蔵寿-coolage-」のクラウドファンディングを開始。開始からわずか17分で目標金額に到達した。2023年2月1日に迎える正式リリースを前に、いいスタートを切った形だ。

株式会社リシュブルーは、2022年6月に創業。現在は、スキンケア商品の販売と日本酒のラベルのデザインを主力事業として手掛けている。商品開発に先駆けて市場調査を行った結果、日本酒の香りが若者を含む飲まない層を遠ざけていること、男性向けのスキンケア市場が伸びていること、日本酒由来で男女兼用のスキンケア商品がないことが分かった。

日本酒に含まれている成分は、保湿や美白に対する効果があると考えられており、日本酒由来のスキンケアは、美容に敏感な層からの評価は高い。そこで生まれたのが「蔵寿-coolage-」だ。「最もこだわったのは香り」というように、日本酒の香りを徹底的に取り除き、ほのかに香る程度に緑茶で香りづけをした。これはインバウンド需要にある「日本らしさ」も反映した形だ。

パッケージにも同様にこだわりがある。商品名に「寿」の文字を入れたことから、ハレの日を意識したデザインにした。赤と白を基調とし、熨斗紙を再現するためにパッケージの上部と下部に横筋を入れた。そもそもなぜ商品名に「寿」を入れたのか。「人は好きなタイミングでやりたいことをやっていい」と考えたことを「cool age」と表現。それをフランス語風に発音すると「勇気」の意味を持つ「クラージュ」になる。コンセプトに合わせて最適な日本語を充てた結果が商品名に表れており、「思い付いた瞬間は興奮した」という。

製造においては、付き合いのあった複数の酒蔵から「うちの酒かすを使って欲しい」という声が上がったが、まずは日本酒を構成する成分を「蔵寿-coolage-」に採用。軌道に乗せた後、特定の酒蔵の日本酒に切り替え、販売を行うことを目指している。

▼国内外に幅広く展開予定

中村代表が日本酒に興味を持ち、事業を始めるに至ったきっかけは、銀行勤めだった会社員時代の経験にある。長野県の支店に勤務していたころ、居酒屋で地酒のおいしさを知り、魅了された。本店のある東京に戻った後、長野の地酒を求めて日本酒を扱う居酒屋に向かうも、そこに並んでいるのは全国的に名の知れたものばかりだった。「市場がマーケティングやプロモーションに問題を抱えているのではないか」と感じたという。その後、長崎県の居酒屋を訪れた際に、また東京には出回っていない地酒の存在を知り、ひらめきが走ったという。ちょうどその時、中村氏はがんを患っており、抗がん剤治療を始める直前だった。「明日死ぬのにふさわしい生き方をしてきたか」と考えたことが、創業を決定づけた。

現在検討されている販路の一つは、個人を対象としたオンラインだ。もう一つはオフラインだが、インバウンド需要に対応した店舗以外に、宿泊施設や、ホテル内にある着付けサロンのような和の雰囲気を持つ店舗での販売も相性がいいと中村代表は考える。男性にも使用できることから、メンズ脱毛サロンやサウナなどでの需要も期待でき、「質がいいだけでなくデザインにもこだわっているので、コンセプトに合うチャンネルが多数ある」という。インバウンド需要に応えるだけでなく、海外にも積極展開する予定だ。経済成長をし続ける東南アジア以外に、日本酒の需要が高まっているフランスやイギリスでも支持を得られる見込みだ。

「化粧品はあくまで自社プロダクト第一弾であり、やりたいことの一つに過ぎません」と話すとおり、リシュブルーは2023年度以降、日本酒関連の幅広い製品やサービスを展開する予定だ。その一つが、旧来の手法に頼りがちな日本酒業界や酒蔵のプロモーションにITツールを取り入れる手法。日本酒となじみのない層にアプローチをすることで、国内の新規開拓を図る。

「根本にあるのは、日本酒業界と酒蔵が元気になるための一助になりたいという思いです」と語ったように、コンサルタントとアウトプットを兼ねた戦略によって、さまざまな方向から消費者にアプローチをすることで、日本酒の注目度を上げることを目指す。

■プロフィール

1992年、東京生まれ。青山学院大学国際経済大学卒業後、三井住友銀行に入行。長野支店と本店で計5年間経験を積んだのち、アクサ保険生命会社に入社。在籍中の2021年、ガンが発覚したことをきっかけに、人生を見直し、2022年6月に株式会社リシュブルーを創業。闘病経験を生かし、高校や企業での講演も行っている。

情報提供元: マガジンサミット

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