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地表温度を最大20℃低減!猛暑とゲリラ豪雨に立ち向かう「Beat the Heat」とは

2026-08-25 12:45:57

猛暑が当たり前になりつつある日本の夏。気温の高さはもちろん、太陽に照らされたアスファルトや舗装面から伝わってくる熱に、思わずうんざりしてしまうことも多い。

都市の地表面は強い日差しによって高温になりやすく、特に地面に近い場所で過ごす子どもやペットにとって大きな負担となる。

そんな都市の暑さを「地表」から変えようとする取り組みが始まった。

街の緑化や空間づくりを手掛ける東邦レオ株式会社は、都市の暑さ対策を目的とした新プロジェクト「Beat the Heat」を始動。地表温度を最大20℃低減できる独自の地表涼化システムを開発している。

都市の暑さを「地表」から変える

東邦レオは、大阪に本社を置き、約60年にわたって緑化や街づくりに携わってきた企業。東京・九段下にある「九段ハウス」の運営なども手掛けている。

「Beat the Heat」で注目したのが、都市の地表面だ。

夏場の道路や広場などは、強い日差しを受けて表面温度が大きく上昇する。東邦レオでは、人が歩く高さの気温を下げることに加え、まず地表面をどのようにコントロールするかが重要だと考えている。

「Beat the Heat」が重視しているのは、「色の反射」「水分と気化熱」「健全な植物」という3つの要素だ。

今回のシステムでは、表面に白色系の砕石を使用。明るい色によって太陽光を反射し、地表面が熱を蓄えるのを抑える。

さらに、「J-Mix」と呼ばれる基盤材の空隙に水を貯め、水が蒸発する際の気化熱を利用して地表面を冷却する。色の反射と気化熱を組み合わせることで、表面温度を最大約20℃の差を測定したという。

実演では、従来の地面を再現した茶色側と、白色の砕石を使った地表を比較。茶色側は長く触れていられないほど熱くなっていた一方、白色側は「ぬるい」と感じられる程度で、担当者によると35℃ほど。サーモグラフィーでも、白色が36.9℃だったのに対し、茶色側は47.3℃と明確な違いが見られた。

暑さだけでなく「ゲリラ豪雨」にも対応

「Beat the Heat」の特徴は、単に地面を冷やすだけではない。

地中のJ-Mixに水を貯められる構造を生かし、短時間に大量の雨が降るゲリラ豪雨への対策と、都市の暑さ対策を両立させる狙いがある。

雨水を地中に貯留し、晴れた際には貯めた水を地表の冷却に生かす。東邦レオの田中氏も「ゲリラ豪雨対策という話と、都市を冷やすというのを同時に解決する」ことが今回のプロジェクトのポイントだと説明している。

都市では地面の多くがアスファルトやコンクリートで覆われている。降った雨を活用しながら地表温度を抑える仕組みが広がれば、都市の暑熱環境を改善する新たな選択肢になりそうだ。

場所に合わせて景観もデザイン

「Beat the Heat」を構成するもう一つの要素が、「健全な植物」だ。

植物の葉は日差しを遮るだけでなく、根から吸収した水分を葉から放出する「蒸散」によって周囲の熱を和らげる働きもある。色や水だけでなく、植物を健全に育てることも都市の暑さ対策につながる。

東邦レオはもともと、植物を健全に育てるための土壌づくりを緑化事業の原点としてきた。植物は土の状態が悪ければ水や養分を十分に吸収できず、枯れてしまう場合もある。そのため、植物を植えるだけではなく、健全に育つ環境まで整えることを重視しているという。

地表部分のデザインについても、どこに導入しても同じ景観になるわけではない。

今回実演で使用したのは丸くて白い砂利だが、設置する場所によって求められる景観も異なるため、周辺環境や空間のデザインに合わせて石の種類や見せ方を変えることができる。

色の反射、水分と気化熱、健全な植物。3つの要素を組み合わせながら、暑さを抑えるだけではなく、その場所に立った人が心地よさを感じられる空間をつくることが「Beat the Heat」の目指すところだ。

「GREEN×EXPO 2027」では屋外型パビリオンを出展へ

東邦レオは、2027年に横浜で開催される「GREEN×EXPO 2027」へのパビリオン出展を予定している。

計画しているのは、一般的な建築物を建てるパビリオンではなく、屋外空間を活用したもの。空調設備の恩恵を受けにくく、暑さを直接受ける場所だからこそ、地表面をどのように工夫するかが重要になるという。

現在はパビリオンのデザインや地面の断面構成などを詰めている段階。緑化や暑さ対策を含め、東邦レオが培ってきた街づくりの知見がどのような形で表現されるのかにも注目したい。

街そのものを冷やす暑さ対策へ

年々厳しさを増す夏の暑さに対し、「Beat the Heat」は地表面を冷やすというアプローチから都市環境の改善を目指すプロジェクトだ。

明るい色による太陽光の反射、水分の気化熱、植物の力という3つの要素を組み合わせ、地面に近い場所で過ごす子どもやペットにとっても、少しでも過ごしやすい環境を増やすことを目指している。雨水を貯留する仕組みは、ゲリラ豪雨への対策にもつながる。

東邦レオは一つの技術だけですべてを解決するのではなく、日本にあるさまざまな技術や一人ひとりの工夫につなげるきっかけにしたいとしている。「ふと涼しさを感じられる場所」が都市の中にどのように増えていくのか、今後の展開に期待したい。

東邦レオ公式サイト:https://www.toho-leo.co.jp/

情報提供元: マガジンサミット