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【野球美】一瞬の判断力!! トリックプレー&頭脳プレー

2018-08-22 18:00:36

失点や進塁を阻止するために行われる守備側のフェイクプレー。こういったものを頭脳プレーやトリックプレーといいます。これはルールそのものを熟知したうえで経験、勘、判断力が備わっていないと躊躇、踏み込めない領域のパフォーマンスです。見事決まれば美しく華やか。流石プロと感動すら覚えます。今回は実際の試合で行われたトリックプレー&頭脳プレーを紹介します。

阪神 俊介選手の失点を阻止する捕球姿勢

今年7月21日、横浜戦。横浜の攻撃で1アウト、ランナー1、2塁。バッターの打った打球はフラフラっと緩い俊介選手の守るセンターフライ。俊介選手は落下位置に走りながら左手を上げ捕球の合図をしました。これを見たそれぞれのランナーはセオリー通り、ハーフウェイでストップ。ところがボールが落下したのは俊介選手の手前。ランナーの進塁は1つずつに留まりました。

これは俊介選手がダイレクトにキャッチ出来ないと早々に判断し、フェイクでフライ捕球の合図を出したわけです。もし俊介選手が最初からヒットとしての捕球姿勢を見せていたら、ランナーもコーチもバックホームへ突入と判断していたかもしれないので、結果として1失点を防いだプレーです。

巧妙な演技で進塁阻止イチロー選手

2015年5月、マリーンズ対ジャイアンツ戦。イチローがライトの守備につくマ軍は1点リードで9回の守備に。1アウト1塁で同点にはしたくない場面で、バッターはライト方向に大きなフライを打ち上げます。

イチローは背走しながら捕球姿勢を見せたため、1塁ランナーは進塁の足を緩めました。ところが次の瞬間、イチローはくるりと反転、外野フェンスの方を向くとボールはイチローの頭上を越えダイレクトにフェンスに当たりクッションボールはイチローの正面に。すぐさま返球しランナーを3塁で足止め、失点を防ぎました。

このプレーには2つのフェイクがあり、捕球姿勢とその前に視線でランナーを見てフライキャッチの意思を見せたという事。ランナーも後日、このプレーについて「だまされた」と語りました。またこの演技にはセンターがカバーに行かなかったことでも分かるように見方もだまされています。

阪神・セカンド平野選手が悪送球…と思いきや

週プレ プロ野球増刊 2017年11月10日号 (2017年10月04日発売)
Fujisan.co.jpより

11年3月、日ハムとのオープン戦。日ハムのバッターがセンター前に抜けようという当たりをセカンドの平野選手が前転でキャッチのファインプレー。ところがすぐさま送球したためファーストではなく、一塁ベンチ方向に悪送球。これを見たバッターランナーは2塁を狙う姿勢を示しました。

ところがその送球した場所にはいるはずがないキャッチャーの城島捕手がおりボールをキャッチ。城島捕手はランナーが飛び出しているファーストに送球しランナーは帰塁が間に合わずタッチアウト。おそらく以前から示し合わされたプレーなのでしょうが見事にトリックプレーが決まりました。

甲子園の奈良県地区大会で生駒高校が見せた走塁

今年7月15日、生駒高校対大宇陀高校戦。5対6で大宇陀がリードの9回オモテ。生駒の攻撃はランナー3塁ながら2アウト。絶体絶命でバッターは4番打者。好機であるものの大宇陀は4番ということで敬遠を選択。1つ、2つ、、、とピッチャーが敬遠球を投じ、当然4球目でフォアボール。バッターはゆるりと1塁へ向かって駆け出します。

ところが1塁ベースに近づいたところで猛然とダッシュ、そのまま2塁を狙う姿勢を見せました。これに慌てたボールを持つキャッチャー、セカンドに送球しますがやや逸れます。

このわずかなスキをつき、3塁ランナーがなんとバックホームで生還。バッターランナーも1塁に帰塁しました。これはフォアボールがインプレー(続行プレー)であることを認識していないと出来ないプレー。しかも1点ビハインドというケースでの大胆プレーはギャンブルでした。ちなみにこの試合、延長に入り生駒が勝利しました。

高校野球においてトリックプレーはご法度とされているため褒めていいのかは分かりませんが、生駒高校のケースはトリックと頭脳が合わさったような見事なプレーで感心してしまいます。

今回紹介したようなプレーはそうそう見られるわけではないので、目の当たりにしたとき従来の野球とはまた違う味わいが感じられることと思います。

情報提供元: マガジンサミット

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