
日本人初となる米野球殿堂入りを果たし、マリナーズの球団会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー(51)が28日(日本時間)、本拠地・Tモバイル・パークで行われた、アスレチックスとの開幕戦で始球式に臨んだ。
【写真を見る】イチロー、妻・弓子さん見守るなか始球式「一瞬のことだけど、一生ないこと」マリナーズ開幕戦で135キロの速球投じる
観客の大歓声に、手を振り応えながらマウンドに立ったイチロー。捕手は現役時代のチームメートで、昨季の途中から監督を務めるダン・ウィルソン(56)が務めた。「今の状態ではこれマックスですよ」と振り返ったが、ワインドアップから投じたボールは、84マイル(135キロ)をマーク。マウンドを降りると、ウィルソン監督と熱い抱擁を交わした。
始球式を終え「気持ちよかったよ(笑)景色がやっぱいいもんね」と満面の笑顔で話したイチロー。妻・弓子さんが見に来ていたことも明かし、「このチャンスは1回だけなので、そりゃ声をかけないと(笑)この一瞬のことだけど、一生ないことなので。きてくれてよかったです」と貴重な体験を共有できたことを喜んだ。
イチローは2000年オフにポスティングシステムでマリナーズに入団。以降、ヤンキース(12年夏~14年)、マーリンズ(15年~17年)でプレー。18年にはマリナーズに復帰して2019年に現役引退を迎えた。
「日米通算4367安打」「年間最多262安打」「10年連続200安打」など、2019年の現役引退までメジャー史に残る偉業を数多く成し遂げ、今年1月22日、資格初年度でついに日本人初の米国野球殿堂入り。日米ともに資格初年度で“同時殿堂入り”の快挙を達成した。さらに背番号“51”は、マリナーズの永久欠番となることが決まり、栄誉が長く語り継がれることとなった。
【始球式後インタビュー全文】
イチロー:壁があるね。壁がある。
Q.それは具体的に数字いくつ?
イチロー:84(マイル)でしょ?前回も。
Q.85(マイル)にいきたかった?
イチロー:まあ少しでも。
Q.でも球筋は満足する感じじゃなかった?
イチロー:今の状態ではこれマックスですよ。
Q.結構マウンドあがってすぐ、前もそうだったけど、ああいうときはサッと投げたい感じなんですか?
イチロー:そこ難しいところ。バランスを見ないと。そりゃやっぱ気持ちいいし、それに浸っているとそれは違うタイミングがくるので、それは少しはやいくらいのほうが、それは僕の考え方、っていうか僕ですそれ。
Q.どうですか、開幕投手の第1球目を投げた気分は?
イチロー:気持ちよかったよ(笑)景色がやっぱいいもんね。今日は満員ではないけど、すごくいい景色でした。
Q.こういう場でなんとなくファンにひょっとしたら最後かもしれない。
イチロー:最後かもしれないね、ユニフォーム姿。
Q.お礼なのか、報告なのか、どんな気持ちが一番自分の中で強かったですか?
イチロー:最後かもしれないと思っているのは、ここに来ている人たちはそんなことは考えずに、見てくれてると思うので、相変わらず僕らしいなと思ってくれれば、それでいいわけで、特別な思いをもってとかっていうのでは今日はなかったです。
Q.アリゾナから一緒にシアトルへ戻るとき、イチローさんが奥さんを始球式へ誘ったと伺いましたが。
イチロー:このチャンスは1回だけなので、そりゃ声をかけないと(笑)この一瞬のことだけど、一生ないことなので、それは“NO”であっても僕から声をかけたかったです。
Q.そこには最後かもしれないという思いはあったんですか?
イチロー:ありました。
Q.実際見てもらってどんな気分ですか?
イチロー:そりゃカメラの前ではやんないよね(笑)でも、きてくれてよかったです。この後乾杯します。
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