
ハンガリー・ブダペストで行われている柔道の世界選手権を終え、5回目の優勝を果たした女子52キロ級・阿部詩(24、パーク24)らが帰国した。
【写真を見る】阿部詩、涙のパリ五輪から復活V ! 6年ぶり敗戦の兄・一二三「柔道の神様が試練を与えてくれた」【柔道・世界選手権】
昨年のパリオリンピック™では涙の2回戦敗退に終わった阿部詩。今大会は決勝でパリ五輪銀メダリストのD.クラスニチ(29、コソボ共和国)を背負投の一本で下すなど、オール一本勝ちで優勝。「パリ五輪でなぜ負けたのかを考え続けた1年で、負けた悔しさをもう一度味わいたくないという気持ちがあった。少しずつではあるが成長できた」と、パリ五輪の敗退を経て成長を実感したものの、「成長している部分とまだやり込まないといけない部分が今大会で見えた。私が目指すべきは五輪のチャンピオンなので、この結果に満足せずにまだまだ突き進んでいきたい」と、3年後のロス五輪へ向け更なる成長を誓った。
一方、兄の男子66キロ級・阿部一二三(27、パーク24)は、準々決勝でまさかの一本負け。同階級の個人戦で敗れるのは、2019年世界選手権の丸山城志郎戦以来およそ6年ぶりとなった。それでも、敗者復活戦・3位決定戦を勝ち抜き銅メダル獲得。「悔しさもあるが、負けてすぐに良くなかった部分を考えられた」と、すぐに気持ちを切り替えた。敗戦はあったものの「柔道の神様が試練を与えてくれた。まだまだ強くなれるぞと伝えてくれている。負けがあってこその阿部一二三」と前を向き、「ロス五輪に向けて気を引き締められた。ロス五輪で3連覇するためにどうしていくべきかを一番に考えて、ここから3年間やっていきたい」と、五輪3連覇へ向け意気込んだ。
その阿部一二三を上回り、男子66キロ級を制したのは、前回大会銀メダリストの武岡毅(26、パーク24)。「コンディションも良く、自分が思った通りのパフォーマンスが出せた」と語った通り、5試合で5つの技を決める圧巻の柔道を見せた。阿部を超える成績を残したことで、ロス五輪代表争いへ大きな爪痕を残し「少し前までロス五輪は夢と言っていたが、それが目標に変わった。次の大会がどれだけ大切か、この優勝で一気に重みが増した」と、思いを強くした。「阿部を倒して自分がオリンピックで優勝する」と力強く語った武岡。激しさを増す男子66キロ級戦線に今後も注目だ。
男子60キロ級では、パリ五輪銅メダリストの永山竜樹(29、パーク24)が優勝。6回目の挑戦で初の頂点に輝いた。「今まで長かったし、かかった期間の分メダルの重みも感じる」と、金メダルを胸に喜びを噛みしめた永山。初戦でいきなり技ありを奪われるなど苦しい展開が多かったものの、「いつもなら負けているパターンの試合もあったが、そこで集中力を切らさず、焦らずに落ち着いて最後まで試合を運べた」と粘り強く勝ち上がり、決勝では一本勝ちを収めた。これから束の間のオフを迎えるが、「次の五輪の下見も兼ねてロサンゼルスに家族旅行へ行きたい」とのプランも披露。「ロス五輪で金メダルを獲ることが目標。挑戦者の気持ちを忘れずに成長していきたい」と、3年後を見据えた。
世界選手権は6月20日まで開催され、16日の大会4日目には男子81キロ級五輪連覇の永瀬貴規(31、旭化成)が登場。最終日には男女混合団体戦が行われる。
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