
プロ野球ドラフト会議が23日に行われ、地元・東北の球団である楽天から2巡目指名を受けた早稲田大の伊藤樹(22)。指名直後には「率直に嬉しい気持ちが一番です。楽天ということで僕も東北出身なので、所縁のあるチームに選んでいただいたなと思います」と心境を口にした。多彩な変化球と抜群の制球力、巧みな投球術でゲームを作れる即戦力右腕として注目を集めた早大のエースがプロへの扉を叩く。
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「ユニフォームをまた着られる」東北で再び夢舞台へ
秋田・美郷町出身の伊藤は小学生の時、楽天Jr.に所属。「その頃着ていたユニフォームをまた着られるっていうのは嬉しい気持ち。僕の野球人生の原点というか、ここまで成長させていただくきっかけになった」と当時を振り返り、地元球団に特別な縁を感じている。伊藤自身、楽天の本拠地球場で試合を観戦しに行ったり、実際にマウンドに立ったこともあったという。「徒歩圏内の中学校で応援が聴こえてきたりだとかするぐらい身近な球団なので、とても嬉しく思いますし、そういったチームに参加してプレーができるっていうのは僕の人生の一つのゴールというか、ひとまず本当によかった」と地元・東北に思いを滲ませた。
名門・仙台育英高校では1年からベンチ入りすると、同年夏の甲子園で全国大会デビュー。2年秋には東北大会で優勝を成し遂げ、翌年の春のセンバツ大会ではベスト8の成績を残した。高校卒業後は「ドラフト1位で即戦力として入っていくってことを考えた時に大学を選ぶ決断をした。小宮山悟監督の元で、早稲田大学というレベルが高い環境の中で、4年間野球をすることに価値を感じた」と早稲田大に進学を決めたという。
早大では1年春からベンチ入りすると主にリリーフで登板、2年秋から先発で起用されるとリーグ戦初勝利を含む4勝を挙げた。さらに3年春にチームを7季ぶりのリーグ優勝に導き、そこからチームは怒涛の3季連続優勝。伊藤は今春の明大戦でノーヒットノーランを達成するなどリーグ通算61試合に登板し21勝(5敗)、防御率2.20をマーク。昨年から2年連続で侍ジャパン大学日本代表に選出されるなど着実に実績を積み上げていった。
伊藤は自身の持ち味を「投手としての総合力の高さ」と語る。「コントロールとか球速よりかはゲームを作るところに長けていると思う。球を速くすることとか、コントロールは日によってコンディションが違うので、いかに波なく一試合を投げれるかは大事なことだと思う」とそのゲームメイク能力に自信を覗かせる。
「15年以上活躍して200勝」プロの世界で活躍誓う
指名の瞬間は家族とビデオ通話をしながら待っていたという。「(両親には)ここまで環境の面でかなり助けていただきましたし、苦しい時もいい時も厳しく優しく電話くださったりとか、本当に助けてもらってきたなという気持ちがかなりあった」と感謝の思いを語った。家族からの祝福を受け、「その姿を見て僕も嬉しかったですし、これからまた頑張りたいなと思っています」と言葉に力を込める。
楽天の印象を「若い選手からベテランの選手まで幅広く活躍しているイメージがあるのと、早稲田の先輩方が多くいるイメージがあるので先輩方に習って、1年目から活躍できるように頑張りたいと思います」と話す。憧れの選手は最優秀防御率やゴールデングラブ賞といった数々のタイトルを獲得してきた岸孝之(40)だ。「岸選手は自分が小中学生くらいからずっと見てる投手なので、一つでも多く吸収して自分の成長に繋げられるようにしたい」と飛躍を誓う。
「まずはローテーションに先発として入ること、そして1年間ローテーションを守り切ってシーズン投げ切ることっていうのは一番目標にしてます」と意気込んだ伊藤。「15年以上活躍して200勝まで昇りつめられれば僕としては嬉しい」とプロの舞台に思いを馳せた右腕が地元、東北の地で挑戦を歩み始める。
■伊藤樹(いとう・たつき)
2003年8月24日生まれ。秋田県・美郷町出身。投手。右投右打。身長177cm体重84㎏。仙台育英高校から早稲田大学に進学。東京六大学野球リーグ通算リーグ通算61試合21勝(5敗)防御率2.20。3年春にベストナイン初受賞。同年、全日本大学選手権で準優勝。24年、25年に侍ジャパン大学日本代表に選出。
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