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SUBARUは東京世界陸上3000m障害入賞の三浦龍司を1区に起用、2区の小林歩でリードし、後半まで優勝争いに加わるか?

スポーツ
2025-12-30 17:22

2026年最初のスポーツ日本一が決まるニューイヤー駅伝 in ぐんま(第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会。群馬県庁発着の7区間100km)。前回5位のSUBARUの戦力が充実している。


&TEAMのKが東京世界陸上に続きニューイヤー駅伝を盛り上げる「緊張感や熱気を精一杯お届けします」


東京2025世界陸上3000m障害8位入賞の三浦龍司(23)が2年連続の1区。移籍加入した小林歩(27)は2年前の3区区間賞選手で、今回は2区の区間賞も期待できる。3区の清水歓太(29)はSUBARUのエースを何年も担ってきた選手。小林の加入で前回3区の山本唯翔(24)を、得意とする上りのある5区に起用できた。7区の並木寧音(24)は前回も同区間で区間4位だった。3位以内が目標だが、「優勝争いをしないと3位には入れない」と、奥谷亘監督(50)は頂点への挑戦も視野に入れている。


◇ニューイヤー駅伝(1月1日)の区間と距離、中継所
1区 12.3km 群馬県庁~高崎市役所
2区 21.9km 高崎市役所~伊勢崎市役所
3区 15.3km 伊勢崎市役所~三菱電機群馬工場
4区 7.6km 三菱電機群馬工場~太田市役所
5区 15.9km 太田市役所~桐生市役所
6区 11.4km 桐生市役所~伊勢崎市西久保町
7区 15.6km 伊勢崎市西久保町~群馬県庁


“世界の三浦”が“SUBARUの三浦”として参戦

三浦龍司の世界陸上の戦いは多くの人たちに感動を与えたが、本人の心にも強く残るものがあった。


「結果として見れば悔しい結果でした。メダルを狙った大会で、もう少し頑張れたかな、というところもあります。しかし東京で開催された世界陸上で、(世界大会初出場で入賞した)東京五輪から4年後の成長を確認できました。レース内容としてもラストの、世界一を決めるふるい落としに食い下がる走りができた。世界の壁も感じてきましたが、そことの差もだんだん縮めることができている実感がありました。質が高く濃い内容のレースを日本で経験できたことは、すごく大きな思い出になったと思います」


満員の国立競技場で浴びた声援は、これまで経験してきたどの大会とも違っていたという。レース後の取材を一通り終え、曽波祐我マネージャーの顔を見たときには涙があふれ出た。洛南高、順大を通しての先輩で、三浦の側でつねにサポートをしてきた人物だ。


「メダルがつかめそうなレースだったこと、東京で行われて大きなチャンスだったこと、あれだけ多くの皆さんが期待してくれたこと。メダルを取りたかった思いが一気にあふれ出てきた瞬間でした」


日本のスポーツ界に大きな足跡を残した“世界の三浦”が、次は“SUBARUの三浦”としてニューイヤー駅伝を走る。入社1年目の前回は1区で区間3位。長嶋幸宝(21、旭化成)のロングスパートに2秒差をつけられたが、今回も同じ1区を任された。


「ペースが速くなるところもあり、注意しないといけません。中継所前最後のカーブも、コースを反対車線にとって走って行きますが、道路が広いのでコース取りも上手くやる必要があります。ペース配分や展開は注意しないといけませんが、ラスト2~3kmのところにしっかり備えることができれば、区間賞も見えてきます。最後はキツくなりますが、そういったことも踏まえて、経験を生かした走りをしたい」


2区以降も強力なメンバーになった。1区の三浦が前回くらいのタイム差でタスキを持ってくれば、SUBARUは優勝争いに加わることができる。


2区の小林はレベルの高い練習で区間賞候補に

2区の小林はNTT西日本所属だった2年前に、3区の区間賞を取っている選手。塩尻和也(29、富士通)と相澤晃(28、旭化成)の10000m新旧日本記録保持者、伊藤達彦(27、Honda)と田澤廉(25、トヨタ自動車)も含め10000m代表経験選手4人を小林が上回った。区間2位の田村和希(30、住友電工)に29秒もの差をつけた。


その小林が4月に加入しSUBARUのチーム力が大きく向上した。小林は11月3日の東日本実業団駅伝は1区で区間3位、同22日の八王子ロングディスタンス10000mは27分36秒00と、自己記録に約8秒と迫った。「八王子の後はすぐに練習ができるように、感覚では余力を残して走りました」


奥谷監督の評価はさらに高い。「八王子の前からえぐい練習をやっていました。やりすぎじゃない? というくらいの負荷で。小林の強みは単独走になっても、もがきながら押し切れるところ。風が吹けば区間新もあります。駒大の後輩(鈴木芽吹・23、トヨタ自動車)にも勝って、先輩の力を示して欲しい」


小林は今年の10月くらいから練習を、スピード持久力の部分を強く意識した内容に戻したという。「区間賞を取った後、スピードをもっと出さないと、と考えて1000m×何本のスピードを上げるような練習をしました。しかしその練習で結果を出せませんでした。今は1000m何本というときより10秒以上遅くしていますが、そのペースで14000mなどを走り切ります。2年前はその練習でも3区のスピードに対応できました。今は2年前と同じくらいの走りの感覚になっています」


2年前の3区は23位でタスキを受け、16人抜きを見せた中での区間賞だった。今回は1区の三浦から、上位でタスキを受け取る確率が高い。先頭集団でのレースになる。


「集団を引っ張る展開になっても、横に誰かがいる状態で走っても、空気抵抗や集団効果で少し楽になる。タイムを削れる要因なのでプラスに考えています。(牽制し合う状態になれば)自分で行きます」


前回の2区では今江勇人(27、GMOインターネットグループ)が、牽制状態を避けるために前に出て引っ張った。今年の東日本実業団駅伝1区、八王子ロングディスタンスと今江と小林は同じレースで好成績を残してきた。今回の2区がスローな展開になることはない。


“山の妖精”は特徴を生かせる5区に

小林の加入でSUBARUの区間配置に厚みが出た。これまで最長区間を担ってきた清水歓太が3区に回ることができた。清水自身は年間を通してマラソンを意識した練習を行っているが、それでも11月末のNITTAIDAI Challenge Games10000mで27分47秒13の好記録で走っている。


「そこまでの練習はしない中で出た記録。その後も疲労が出ず、12月の練習も順調です。3区のスピードに不安もありますが、強い選手が後ろから来たら一緒に行ける。後半6kmが勝負ですが、スタミナ面は研いてきたので自信があります」


山本唯翔を前回の3区から5区に回せたことも、小林加入の効果といえる。山本は城西大では箱根駅伝山登りの5区で区間賞を取り、“山の妖精”と言われた選手。「入社時から5区を希望していました。ここで決まるケースもあるし、(群馬県太田市にはSUBARU本社があり)SUBARUへの応援が一番多い。群馬の皆さん、太田の皆さんに勇気を与える走りをしたい」


7区の並木寧音は、2年目だが主将を任された。前回も7区で区間4位。2人を抜いて5位でフィニッシュした。「去年は30秒差があった前の集団に追いつきました。今年はトップのチームに20秒差があっても追いつきたい。残り400m、300m、200mのポイントは頭に入っています。(最後のスパート力は)実業団でトラック中心に練習したら、自然とついて
きました」


駅伝でタイムを縮めることにおいては、三浦以外の選手たちの力が大きい。だがチームの精神的な部分ではやはり、“世界の三浦”が大きく影響している。三浦の世界陸上はチームで国立競技場のスタンドから応援した。


「あと一歩でメダルを取れるところまで行きました。チームメイトが世界とあれだけ戦える。自分はニューイヤー駅伝で、三浦の世界陸上みたいな結果を出したいと思いました」(小林)


「感動的でした。国立競技場で観戦した全員が、三浦に魅了されていることが空気でわかりました。駅伝であそこまでの走りをするのは簡単ではありませんが、目指さないといけない」(清水)


三浦が地元世界陸上でやってみせたことを、地元チームであるSUBARUがニューイヤー駅伝でやろうとしている。


※写真:前回大会の1区で走る三浦選手(2025年1月1日)


(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
 


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