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「家族のスマホ、開けられる?」1分でできる『デジタル終活』電子マネーやポイントは相続できる?【ひるおび】

国内
2025-10-30 15:32

デジタル遺品・終活に関する相談件数は10年間で3倍に増加しています。
「スマホのパスワードが分からない!」「サブスクから請求書が…」「電子マネーやポイントはどうなるの?」
いざという時のための“デジタル終活”について、弁護士・公認会計士の伊勢田篤史氏に聞きます。


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スマホ時代の新常識 “デジタル終活”

「デジタル終活」とは、デジタル遺品トラブルを予防するための生前対策です。
デジタル遺品は、スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器に保存されたデータやインターネットサービスのアカウントなどを指します。


▼銀行・証券会社などのネット口座の情報
▼SNS・サブスクなどのアカウント情報
▼スマホなどに保存された写真や連絡先 など


伊勢田弁護士:
スマホのログインパスワードを家族できちんと共有されている方は少ないと思います。
万が一の際、亡くなった方のスマホのログインパスワードがわからないと、残された家族が情報を取り出すことができなくなってしまいます。


家族のスマホ、開けますか?

コメンテーター 友利新:
私のパスワードは家族みんなが知ってるんですけど、そういえば主人のは知らないですね。


パスワードがわからない場合、携帯ショップやスマホの会社に問い合わせても知ることはできません。顔認証や生体認証も、登録者が死亡した場合は基本的に解除することはできません。
無理に開こうとして暗証番号を複数回間違えると初期化が必要となる場合があり、データがなくなる可能性もあります。


伊勢田弁護士:
パスワードを解析してデータ復旧をしてくれる専門家もいますが、費用が20万~50万円、期間も半年~1年かかるケースもあり、そもそも開かない機種もあります。


「ネット銀行」の口座はどうやって確認する?

今、ネット銀行の口座数は約4000万あり、3人に1人がネット口座を利用していると言われています。


ネット口座は手続きがウェブ上で完結するので、自宅に書面などが存在せず、口座があること自体気づかれない場合もあります。
10年以上取引のない預金は「休眠預金」となって国庫に入り、民間公益活動費として使用されます。(※手続きをすれば引き出すことは可能)
気づかないままでは「家族にはお金が渡らない」ということにも・・・


伊勢田弁護士:
相続で家族がもめているときに、ふとしたことで新たにネット銀行の口座がわかったりすると、相続人同士で他に財産を隠してるんじゃないかと疑心暗鬼になってしまって、まとまるものもまとまらないというケースもあります。


ネット口座の有無は、スマホなどのロックを解除できれば、アプリやブックマークで確認することができます。
他には「(作成していれば)キャッシュカード」「メールのやり取りから探す」「預金口座の履歴を見る」などの方法があります。


突然の請求書にびっくり!?サブスクの落とし穴

有料動画配信サービスなどのサブスクは、クレジットカード側を解約しても月額払いの契約を解約しない限り、未払い状態となって請求は続いてしまいます。
年額払いの場合、1年後に請求書が来てびっくり!というケースも。


亡くなった人がどんなサブスクを利用していたか分からない場合は、クレジットカードの利用明細で確認をすることができます。


伊勢田弁護士:
毎月何日に同じ金額が引き落とされているのか、1個1個探して特定しなければいけないのでかなり大変な作業です。
特定したとしても、解約の窓口を確認して解約手続きをするのに、1年など長い時間を要するケースもあります。


恵俊彰:
クレジットカードの利用明細も最近は郵送ではなく、メールに添付も多いので、そうなってくると、ますますスマホを開けないと見られなくなっちゃいますね。


ログインパスワードの共有 1分でできるデジタル終活

伊勢田弁護士によると、
「デジタル終活の1丁目一番地は、ログインパスワードの共有」。


1分でできる対策としてオススメなのが、パスワードを書く「紙のカード」。
インターネット上では『スマホのスペアキー(R)』などのテンプレートもあります。


【1】スマホの情報とパスワードを書く
【2】パスワードを修正テープで隠す ※透ける場合は二重にマスキング
【3】金庫や引き出しに保管し、場所を家族に伝える


所有者が亡くなった際には、コインで削ることで下の文字を読むことができます


また、万一に備えパスワードはそのまま数字を書くのではなく、「結婚記念日」や「ペットの誕生日」など「言葉」で残しておくのもおすすめ。
万が一削った跡があればパスワードを更新して書き直すこともできます。


アナログではなくデジタルでという人は、死亡時に情報を共有する民間サービスもあります。


『まも~れe』
PCデータなど自身の情報を共有できる
料金:無料
例えば契約者が夫の場合、「妻にはこのデータを残す」「子どもにはこのデータを残す」など、死後に渡したい相手別に複数のID-PASSを設定することができます。


『Digital Keeper』
定期的に送信されるメールに返答がない場合、登録した人に連絡が行く
料金:月額330円


事前にアドレスを登録し、そこにメールが届く仕組みなので、家族には契約した会社のメールを受け取れる設定にしておいてもらう必要があります。


スマホに入った「電子マネー」「ポイント」はどうなる?

【電子マネー】
キャッシュレス時代で当たり前に使っている「〇〇ペイ」などの電子マネー。
クレジットカードや預金口座から利用分が直接引かれる「非チャージ型」と違い、アプリ内に電子マネーが残る「チャージ型」には注意が必要です。


電子マネーが相続できるかどうかは電子マネーを提供するサービス事業者次第となります。
手数料を取って銀行口座に振り込む事業者や、相続はできないとする事業者などまちまちなので、各社の利用規約を確認するようにしてください。


【ポイント】
PayPay➡規約上禁止
dポイント➡規約上引き継げない
Vポイント➡規約上本人の利用に限定
楽天ポイント➡規約上譲渡不可


ポイントは個人に対して付与するものなので、他の人がポイントを引き継いで使うことはできません。


【飛行機のマイル】
ANA➡相続可能(会員の死亡日から180日以内)
JAL➡相続可能


必要書類の提出や、所定の手続きをする必要があるので、詳細は各社の規約やホームページを確認してください。


(ひるおび 2025年10月28日放送より)
==========
<プロフィール>
伊勢田篤史弁護士
専門は相続・デジタル終活対策・緊急事業承継
日本デジタル終活協会代表理事 公認会計士


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