
ことしもハロウィーンが来ましたね。ひと月以上前から100円ショップなどの店頭にもジャックオーランタンやおばけをデザインした雑貨やおかし、仮装や飾り付けに使う小物が大量に陳列され、すっかり日本でもイベントとして定着しましたが、日本人がハロウィーンを楽しみ始めたのはいつ頃からなのでしょうか?(アーカイブマネジメント部 木暮健介)
【写真を見る】1985年のハロウィーンパレードの様子 参加しているのは半数ぐらいが外国の人のよう
日本人がハロウィーンを始めたのは1980年代?
TBSのアーカイブに残っている国内の一番古いハロウィーンの映像は、1985年の原宿のハロウィーンパレードの映像です。それより古い映像は海外の映像で、外国の風習を紹介するという趣旨の映像です。
しかし、1986年7月1日に放送されたとんねるず主演のドラマ『お坊っチャマにはわかるまい』の11話は、季節外れのハロウィーンパーティーで仮装大会を行うというストーリーで、そのころにはハロウィーンには仮装をするという風習は世間的にも認知されていたようです。ですがドラマの中ではジャックオーランタンを作るのに、皮が緑色の食用のカボチャをくり抜いたりしています。
この1980年代にハロウィーンを盛り上げようとしていたのは、原宿・表参道にお店を構えるおもちゃ屋のキデイランドが中心でした。上記の原宿のハロウィーンパレードは同店が主催しており、そのあとも何度か取材に伺っています。80年代に取材した映像には在日外国人のためにパレードを行ったとのリポートがあり、まだまだ日本に根付いてるとは言えないようでした。
1990年代はハロウィーンイベントが定番化?
1990年代に入ると、夏休みとクリスマスのはざま、大きなイベントがなかった秋にお客を呼ぶためのイベントとしてハロウィーンの仮装大会というのがだんだんと広まっていったようで、デパートなどの商業施設や商店街などいろいろなところで行われた仮装大会の映像が残っています。
しかし、1997年に始まった東京ディズニーランドでのハロウィーンイベント、川崎の街で行われるカワサキハロウィンが現在のハロウィーンの一般化に大きく寄与したのではないでしょうか。
現在でも東京ディズニーリゾートのハロウィーンイベントは1か月以上の期間開催され、来園者は仮装も楽しみ、大人気のイベントとなっています。カワサキハロウィンは2019年を最後に終了してしまいましたが、参加者の手の込んだ仮装が話題となり、年々取材も増え、多いときにはパレードの参加者が3000人、沿道には12万人もの見物客が集まる大規模イベントになりました。
2000年代以降、ハロウィーンの盛り上がりの過熱化
イベントとして一般化すると、それに伴いいろいろな問題も生じてきます。それまでにも1991年には電車内で仮装した集団が酒を飲み暴れたということでニュースになり、その後も新宿などの主要な駅ではハロウィーンの日には駅員が警戒をしていたということですが、2010年代に入るとハロウィーンの盛り上がりは過熱化していきます。
ハロウィーン当日の夜の渋谷を取材した映像は2014年から残っています。いわゆる「DJポリス」が出動し、交通整理をしないと歩けないほどの人が渋谷に集まるようになったからです。2018年には車が横倒しにされたりと一部が暴徒化する騒ぎがあり、コロナ禍を挟んで2023年には渋谷区がハチ公像周辺を封鎖、路上飲酒も禁止として、ハロウィーンには渋谷には来ないようにと区長が世界に向けて発信することとなりました。
ハロウィーンはもともとは宗教的な行事として始まったものと言われています。外国の風習を柔軟に受け入れ、日本独自のアレンジを加えてイベント化していくところは、日本の良いところでもありますが、他人に迷惑をかけるようなことは慎しんで楽しみたいですね。
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