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プーチン大統領 一方的に5月8日から72時間の一時停戦表明 “ひざ詰め”で話したトランプ氏とゼレンスキー氏の電撃会談でウクライナ停戦交渉に進展は?【news23】

海外
2025-04-29 12:59

プーチン大統領は5月8日から、ウクライナとの72時間の一時停戦を表明しました。プーチン氏の狙いはどこにあるのでしょうか。


【写真を見る】文字通りひざを突き合わせるトランプ氏とゼレンスキー氏


プーチン氏72時間一時停戦を表明 電撃会談の成果は?

26日に行われたローマ教皇フランシスコの葬儀。トランプ大統領は青のスーツ姿で参列し、“ドレスコード違反では”と物議を醸しています。


服装と言えば、記憶に新しいのが今年2月…


アメリカ トランプ大統領(ホワイトハウス 2月28日)
「きょうはドレスアップしているね」


ホワイトハウスを訪れたゼレンスキー大統領の服装をトランプ氏が揶揄。
その後、アメリカが仲介するロシアとウクライナの和平交渉をめぐり、激しい口論となりました。


あれから2か月。サンピエトロ大聖堂で再び顔を合わせた2人。


そばにはフランスのマクロン大統領の姿もあり、教会の関係者がイスを並べる様子も確認できます。

2人は教皇の葬儀直前、ひざをつき合わせ、15分にわたり会談を行いました。会談後、ゼレンスキー氏は…


ウクライナ ゼレンスキー大統領
「生産的な会談になりましたが、詳細は明かせません」


トランプ氏も帰国後…


アメリカ トランプ大統領
「ゼレンスキー大統領との会談はうまくいった」

電撃会談で、停戦交渉は前進するのでしょうか。


トランプ政権が示した和平案には、▼ロシアが一方的に編入したクリミアや、▼現在占領されている南部・東部の地域について、ロシアの領有を認めることなどが盛り込まれていると言います。


“ロシア寄り”とも取れる提案に、ウクライナ側は反発していましたが…


アメリカ トランプ大統領
「(記者:ゼレンスキー氏はクリミアを手放す準備ができているか?)そうだと思う」


ラブロフ外相「そんな提案受け取っていない」ザポリージャ原発について

一方、ロシアのラブロフ外相はアメリカのテレビ番組に出演し、和平交渉の中でクリミアの扱いについては「議論されていない」と強調

また、アメリカがウクライナ国内の電力供給を支援するため、ロシアが占領しているザポリージャ原発を所有すると提案している事についても…


ロシア ラブロフ外相
「そんな提案は受け取っていません」

こう話し、アメリカに引き渡すことは「考えられない」と話しました。


こうした中、ロシアのプーチン大統領は5月9日の対ドイツ戦勝80年の記念日にあわせ、8日午前0時から72時間の一時停戦に入ると一方的に表明しました。

ただ、4月20日のイースターにあわせて宣言していた30時間の一時停戦は、双方が互いの停戦違反を主張し合い、不発に終わっています。

これに対し、ウクライナのシビハ外相は「ロシアが本当に平和を望むなら直ちに停戦すべきだ。我々は少なくとも30日間、即時停戦を提案し続けている」と反論しています。


電撃会談では何が?トランプ氏は“ゼレンスキー氏寄り”に修正か

小川彩佳キャスター:
トランプ大統領が「うまくいった」としたゼレンスキー大統領との15分間の会談では、何が話し合われたのでしょうか?


TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
ゼレンスキー大統領は、相当準備をして臨んだはずです。

おそらくウクライナの鉱物資源について、「アメリカ側の要求を飲んでもいい」とちらつかせ、トランプ大統領の評価を求めたのではないでしょうか。

対してトランプ大統領は、ロシアからキーウへのミサイル攻撃が続いていることを「ひどい」と話し、今回の会談では“ゼレンスキー大統領寄り”に修正された印象です。


小川キャスター:
トランプ大統領の姿勢をどう見ていますか?


TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
今回の会談以前は、“プーチン大統領寄り”に進めてきていましたが、“ゼレンスキー大統領寄り”に修正していて、非常にぶれています。そういった部分が見透かされた形になったと思います。


小川キャスター:
そうした中で、プーチン大統領が72時間の一時停戦を一方的に表明しました。

TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
おそらくトランプ大統領から批判されたので、プーチン大統領は「私は停戦する用意がある」とトランプ大統領の足元を見て、揺さぶりに出てきた状況です。

トランプ大統領の“ぶれる”外交が、ゼレンスキー大統領にも、プーチン大統領にも攻撃材料となり、付け入る余地を生んでいます。


対米交渉…日本の作戦は“様子見”?

藤森祥平キャスター:
27日に行われた、ABCテレビやワシントンポストなどの合同の世論調査によると、トランプ大統領の「就任100日」の支持率は、▼支持が39%、▼不支持が55%となっています。過去80年の最低を更新したということです。

外交政策や関税政策の支持率についても、4割を下回っている状況です。

こうした中、赤沢経済再生担当大臣がアメリカ側との2回目の関税協議に臨みますが、どうなるのでしょうか?


TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
20日夜、衆議院の議員宿舎で、石破総理、森山幹事長、小野寺政調会長が協議をしたということです。

しかし、実はこの場に林官房長官と岩屋外務大臣など10人ほどが集まり、日本側の対応を決断するという重要な会合になったようです。


その中で、トランプ政権の混乱、二転三転する要求への対応は「きりがない」ことから、今回は腰を定めて一喜一憂せず、様子を見るという方針を定めたということです。


小川キャスター:
赤沢大臣はどのように交渉に臨むのでしょうか?

TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
(会合で決まった)方針は赤沢大臣にも伝わっています。

赤沢大臣はベッセント財務長官と話し合うのですが、すでにこれまでに為替・防衛費を“別枠”にしようとなっています。そのため、おそらく農産物と自動車についてアメリカ側の要求を聞きおくという会談になるでしょう。


それを受けて、また日本側で対策会議をすることになるため、どうやらこの協議は、長期戦になりそうですね。

アメリカ側も混乱しているので、日本としては短期的なお土産となる提案は出さず、アメリカの出方を見守ろうという姿勢に転じたように思います。


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<プロフィール>
 星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身


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