台湾中心部で通行人が切りつけられ、14人が死傷した事件。そのいきさつが明らかになってきました。タブレット端末に保存されていたのは「犯行計画書」。日時や場所だけでなく、「先に発煙弾を投げ、そのあと切りつける」とも記されており、ほぼ計画通りに実行されたことが判明しました。
【写真を見る】犯行時、刃渡り30cmの刃物を手に歩く張容疑者
台湾14人死傷 計画性が明らかに
台湾社会に衝撃を与えた無差別殺傷事件。
事件が起こったのは19日(金)、日本人観光客にも人気の台北市の繁華街でした。
横断歩道の真ん中で発煙弾をなげる男。刃渡り30cmの刃物を手に取り、歩行者を次々と切りつけていきました。
切りつけられた人
「容疑者は何か重いもので私の肩を殴りました。その後、服の中が濡れていることに気づき、初めて出血しているとわかりました」
男は駆けつけた警察官に取り囲まれると、ビルから飛び降り、死亡しました。
一連の犯行で3人が死亡、11人が重軽傷を負いました。
事件を起こしたのは張文容疑者(27)。少しずつ明らかになってきたのは、犯行の計画性です。
宿泊ホテルに「犯行計画書」 「先に発煙弾、そのあと切りつけ」
去年4月ごろから偽名を使って、ネットで手袋や防毒マスクなどを購入し始めていたという張容疑者。
宿泊していたホテルの部屋で、タブレット端末に保存された「犯行計画書」が見つかっていて、犯行の日時や場所、そして、「先に発煙弾を投げ、そのあと切りつける」と記されていたといいます。
事件直前、張容疑者は自宅アパートなどあわせて4か所で放火。手製の爆発物の威力を試したものとみられます。
台湾メディア TVBS(張容疑者の自宅アパート 犯行直前の防犯カメラより)
「片手に枕や布団、もう片方の手にはガソリン。画面に映るこの男こそが無差別殺傷事件の張文容疑者です」
その後、台北駅と隣駅の中山駅の近くで凶行に及んだ張容疑者。台北駅では、張容疑者の犯行を止めようとした男性が切りつけられ、その後死亡しました。
死亡した男性の母親
「あの子を誇りに思う。でも息子を失った」
死亡した男性の母親「心が砕けそう」 容疑者は幼いころから銃に興味
正義感が強く、毎日の連絡を欠かさなかった男性。
死亡した男性の母親
「毎日LINEをくれる」
しかし事件翌日、連絡がなく、実家にも戻らなかったため、母親は胸騒ぎがしたといいます。
死亡した男性の母親
「とても苦しいが誇りにも思う。ただ母親として1人の子供を失ったことは本当に苦痛で心が砕けそう」
台湾メディアによりますと、幼いころから銃に興味を持っていたという張容疑者。大学卒業後は空軍に所属していましたが、2022年に飲酒運転を理由に除隊処分を受けました。
その後、警備会社に勤めていたといいますが、わずか1年で退職。今年7月には兵役をめぐる条例違反の容疑で指名手配されていました。
警察は、犯行の動機や背景について調べを進めています。
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