“約40年ぶりの1ドル=162円台”と言いますが、上り坂だった40年前とは決定的な違いがあるようです。
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約40年ぶりの円安 “Japan as No.1”の時代と“Cheap(安い) Japan”の今
約40年ぶりに1ドル162円台となった円相場。ただ、当時の状況はいまと全く違います。
1986年は76年ぶりに接近したハレー彗星に天文ブームが起き、世界初のレンズ付きフィルム「写ルンです」がヒットした年。また、バブル景気の始まりとされ、日本円が強くなる過程の”円高局面”でした。
日本の経済力は世界的にも高く、こう言われていました。“Japan as No.1”。
一方、りくりゅうの金メダルやサッカーW杯に湧いた今年の日本。経済的には、外国からこうみられています。
“Cheap(安い) Japan”。円安がどんどん進み、外国人からみれば、何もかもが安いというわけです。
円安背景に“国際競争力の低下” 2025年の貿易赤字は“約3兆円”
ではなぜ、こんなにも円が安くなったのでしょうか。
日米の金利差、つまり、ドルの方が利息が高いことや、積極財政への懸念が指摘されていますが、それ以外にも理由があるといいます。
国際通貨研究所・橋本将司さんは「日本の国際競争力の低下が長期的な円安要因になっている」と指摘します。
競争力の低下はデータからも明らかです。1986年の日本の貿易黒字は13兆円を超え、世界最大の貿易黒字国でした。
それが2025年は3兆円近い“貿易赤字”に...。輸出で稼いだ額より、輸入で支払った額の方が多かったのです。
株価の総額をもとに評価した1989年時点の世界のトップ企業50を見ますと、1位のNTTに続いて、日本の銀行が5位までを独占。
当時、“技術立国”といわれていた日本は自動車や家電メーカーなどの製造業も含め、実に32社がランキング入りしていました。
一方、2026年現在のランキングを見ますと、1位がアメリカの半導体メーカー「NVIDIA」、2位はIT大手の「Apple」が続き、5位までアメリカ企業が独占しています。
日本の企業は残念ながら1社も入っていません。
国際通貨研究所・橋本さんは、国際競争力が落ちることで「世界で日本の製品を買う相手が減り、円の需要が少なくなるため、長い目でみて円は安くなる」としています。
高市政権“成長戦略の柱”に多額投資も…専門家「さらなる円安のリスクも」
日本が競争力を失った理由は、いまの企業ランキングから見えてきます。上位10社の業種をみると、AIやAIに欠かせない半導体の製造、さらに、日本でも多くの人が利用しているIT企業がほとんどです。
アメリカがデジタル産業で成長を遂げる中、日本は“経済成長の柱を見つけられていない”状況です。
そんななか、高市政権は“成長戦略の柱”として17分野に官民で370兆円を超える投資を行う方針です。
国際通貨研究所・橋本さんは「新たな成長産業を創出できれば円安トレンドに歯止めをかける要因となる」と指摘。その一方で「仮に多額の資金を投じて効果をあげられなければ、財政悪化の懸念から、逆に円安が進むリスクもある」としています。
日本が新たな成長の柱を見つけ、“Cheap(安い) Japan”から“Japan as No.1”と再び呼ばれる日は来るのでしょうか。
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