食料品の消費減税に伴って、いま再検討されているのが「Go To Eat」。コロナ禍で実施された際には「恩恵の偏り」に批判が集まりましたが、今回はどんな店を対象にするのか「線引き」が課題となっています。
【写真を見る】「Go To Eat」コロナ禍の時と今回とで何が違う?
外食だけ10%のまま…物価高での「消費減税案」に懸念の声
木枯らし1号が吹いた東京。10月28日の夜、街で聞かれたのは物価高と懐の寂しさでした。
街の声
「彼女が料理うまいので、できれば毎日手作りの料理を食べたいなとお願いするが、『高い』といわれるので、結局コンビニのごはんとか。レタスが高い」
「減らすとか、本数を3個のところ2個にするとかね。サーモンをね」
「ホッピー安いのでホッピーにしてみました。物価が高くなって給料に反映してるっていうところがあまり感じられない」
「給料が物価上昇に追いつかない…」そんな声も聞かれる中、政府が次の“春”から始めようと議論しているのが、食料品の消費税を2027年春から2年間、現在の8%から1%に引き下げることを柱とした法案。
高市総理(衆院本会議・20日)
「税・社会保険料による負担や物価高に苦しんできた方に、できる限り早く負担軽減を実感いただく上で最善の方法だと考えています」
ただ、この法案、スーパーやテイクアウトでの税負担は減る一方、レストランなどは10%に据え置かれたまま。外食業界からは影響を懸念する声が上がっています。
日本フードサービス協会 椋本充士 会長
「内食と中食が1%になることによって、外食だけが高くなったような空気感が出ることが非常に危惧をすることです」
コロナ禍で始まった外食業界への支援策「Go To Eat」が復活か
外食業界などへの支援もあわせて焦点となる、消費税減税法案を巡る議論。
高市総理のある発言が注目されています。
国民民主党 浜口誠 政調会長(参院予算委・10月16日)
「予算編成の中でGo To Eatだとかプレミアム商品券やる可能性もあるというふうに考えてよろしいですか」
高市総理
「そういうことでございます。プレミアム商品券やGo To Eatも含めということを答弁させていただいたと思います」
「Go To Eat」は、新型コロナウイルスが流行した2020年に始まった、「外食業界への支援策」です。
「3密回避」「ステイホーム」など、コロナ禍で始まった「新しい生活様式」で経済が停滞。社会の“自粛ムード”に外食業界は大きな打撃を受けました。
当時の「Go To Eat」は、▼購入額の25%分を上乗せした食事券が発行されたほか、▼オンラインサイトでの予約で、最大1000円分のポイントが何度も付与されました。
コロナ禍では「無限ループ」「錬金術」と問題に…
西村康稔 経済再生担当大臣(2020年当時)
「毎日毎日このポイントを使っていけば、夕食代はずっと浮く」
しかし、ネット上で「無限ループ」「錬金術」などと話題となり、その問題が指摘されたこともありました。
そしていま、外食業界の支援策として再びあがった「Go To Eat」。
飲食店
「僕はGo To Eatは大賛成。観光名所でもあるので、街の活性化にもつながり非常に助かる」
美容師(20代)
「(学生時代に)バイトしていた居酒屋が対象店舗だったので親と行った。(当時のGo To Eatで)店舗としては、お客さんが増えた」
フリーター(20代)
「Go To Eatが出てくれたら、みんなとの時間増えるので、そこはありがたい気持ちなので、たぶん使うと思います」
飲食店
「どうせGo To Eatやってもまたなくなるんですよね。クーポンあげるくらいなら給付金あげた方がいい」
対象と対象外の線引きは?前回と今回検討中の「Go To Eat」の違い
小川彩佳キャスター:
街からは期待の声もありましたが、どのお店を対象にして、どのように届けるのか、いろいろな焦点があります。
藤森祥平キャスター:
2027年4月からの消費減税で、テイクアウトなどは8%から1%になります。外食は10%そのままのため、外で食べるのは少し高くつくのではという雰囲気になりそうです。
高市総理は10月16日の国会で、「Go To Eatも含めて検討の対象になる」と明らかにしています。
実際にどのような中身になるのか。制度について、財務省担当の蓮井記者が取材しました。
▼コロナ禍で行った「前回のGo To Eat」
対象:登録したお店であれば大手のチェーンも高級店も対象
課題:予約サイトの運営会社などに恩恵が集中することになり、小さなお店に行き届きにくい
前回の経験を踏まえ、新たに検討されているのが今回の「Go To Eat」です。
▼今回(検討中)
対象:テイクアウトに客を取られてしまう懸念のある外食店
しかし、政府関係者の話では、
・ハンバーガーや牛丼などの大手チェーンなどのテイクアウト可能なお店
・減税による負担の影響は小さいことから高級店など
これらは対象から外す案も検討されているそうです。
文筆家 伊藤亜和さん:
コロナ禍とは状況が変わっており、物価高で食べるのも大変という人もいれば、外食産業自体も危機に陥っています。
双方にとって切実な問題なので、今回のGo To Eatは一見、良さそうな案に見えるのですが、対象である「テイクアウトに客を取られる外食店」が一体何なのかを考えてしまいます。
例えば、食べるものによっては、対象内の店舗でも対象外にある大手チェーンの商品と価格差があまりないところもあるので、対象外のところに行くのと変わらないのではないのか。
また、居酒屋などは「みんなで飲みに行こう!」となって行くことが多いので、果たしてテイクアウトに客を取られるのはどこなのだろうか。
せっかく対象に支援をしても、結果的に良くも悪くもお客さんの数は変わらないのではないかなど、いろいろと考えられます。
そもそも対象か対象外かという線引きを、どのくらい細かく決めるのかが分からないです。
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<プロフィール>
文筆家 伊藤亜和さん
セネガル人の父との関係を描いたエッセイで注目
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