
■東京2025世界陸上 女子マラソン(14日 国立競技場発着、42.195km)
【一覧】9月13日開幕『東京2025世界陸上』日程&出場選手
女子マラソンは初出場の小林香菜(24、大塚製薬)が日本勢トップの7位(2時間28分50秒)でフィニッシュ。世界陸上では2019年ドーハ大会の谷本観月(7位)以来、日本勢3大会ぶりの入賞を果たした。
2大会連続出場の佐藤早也伽(31、積水化学)は2時間31分15秒の13位、8年ぶり世界陸上出場の安藤友香(31、しまむら)は、2時間35分37秒の28位で終えた。
前半から積極的な走りで、メダル争い圏内でレースを進めた小林は、後半アフリカ勢らに追い抜かれ11位まで順位を落とす。だが終盤粘りの走りをみせ、気温30度に迫るサバイバルレースの中、前を走る選手を捉えた。ポイントとなる終盤37km以降の上り坂では、一度ふらつく場面もあったが、執念の激走をみせ、最後の国立競技場では観衆の声援を力に笑顔でフィニッシュした。ゴール後はその場に倒れ込んだが、前半先頭争いを繰り広げたアメリカのS.サリバンが歩み寄り、手を差し伸べた。
レース後、小林はインタビューで「もう練習がきつすぎて、合宿終わったときが一番嬉しくて。もう試合はもうどうなってもいいとか思ってたんですけど、いざ本番に近づくと本当に信じられない方がたくさん応援してくださって」と走り終えたばかりの率直な気持ちを。「コースも自分が大学時代に走って、誰よりもこのコースは知ってるので、それで本当にたくさんの方が声かけてくださったので、もうこれ頑張るしかないなと思って」と沿道の声援が力になったと感謝した。
金メダルは東京五輪金のP.ジェプチルチル(31、ケニア)が、パリ五輪銀のT.アセファ(28、エチオピア)との一騎打ちを制して優勝した。
【女子マラソン結果】
金)P.ジェプチルチル 2時間24分43秒
銀)T.アセファ 2時間24分45秒
銅)J.パテルナイン 2時間27分23秒
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7位)小林香菜 2時間28分50秒
13位)佐藤早也伽 2時間31分15秒
28位)安藤友香 2時間35分37秒
30度に迫るサバイバルレースの中、小林香菜が激走!
選手達は暑熱対策をしたベストを着用して国立競技場へ。気温28℃、湿度82%と厳しい状況となったスタート、安藤と佐藤は帽子にサングラスと暑さ対策は入念に行った。スタート前には佐藤と小林がお互いに会話をしながらスタートラインに立った。
スタートからスローペースとなり、日本勢は先頭集団につき、エチオピア勢3選手が固まってレースを引っ張っていった。国立競技場を出ると1.3㎞付近で小林が飛び出す展開となった。
3㎞付近で小林が集団に吸収され、佐藤は第2集団とやや後ろからのレースでしっかり給水してレースを進めていった。給水ポイントでは日本勢全員がしっかりとスペシャルドリンクを受け取り、最初の5㎞は先頭集団は17分10秒、駆け引きと共に暑さとの勝負となった。
9㎞手前でアメリカの2選手が少し飛び出し、秋葉原での折り返し。小林・安藤は先頭集団についているが、佐藤は58秒遅れとなった。10㎞の給水では小林は帽子を交換、氷の入ったものと入れ替えた。11㎞付近でアメリカ2選手と小林が飛び出す形となり、第2集団とは20秒の差、安藤は第2集団の後方となった。
銀座四丁目の最初の折り返しを過ぎて、14㎞付近では2位集団の小林に大学時代のサークル仲間が声をかけると、笑顔を見せていた。15㎞付近では安藤が完全に遅れて単独走となったが、16㎞付近で第3集団に追いついた。
給水ポイントでは日本勢のスタッフも給水ボトルに帽子を括りつけて、その中に氷を入れて選手に渡していた。チームジャパンで暑さ対策を行い、小林はトップのS.サリバン(35、アメリカ)を追っていった。小林は19㎞付近の給水も受け取ると、丸の内駅前広場で一瞬コースを間違うアクシデント、それでもすぐに立て直した。
20㎞でトップはS.サリバン(35、アメリカ)、コースをミスした小林は4位で30秒差、安藤は22位で1分27秒差、そして、佐藤は29位で2分14秒差で後半へ。
22㎞付近でトップと1分03秒差だったエチオピア勢を含めた集団は会話をしながら走り、後半の仕掛けるタイミングを話し合っていた。この集団が一気にペースをあげると前を走っていた小林が25㎞手前、日本橋付近でつかまり、あっという間に差を付けられてしまった。
ここまで自分のペースでレースを進めてきた佐藤は25㎞付近で安藤の姿を捉えて、27㎞手前で安藤を抜いた。トップ争いは28㎞手前で東京五輪の金メダリストのP.ジェプチルチルとパリ五輪銀メダリストのT.アセファがS.サリバンを抜き去り2人でトップに立った。
トップを追う小林は30㎞付近でやや苦しそうな表情を見せたが、氷でしっかりと体を冷やして後半の勝負に備えていた。31㎞手前で落ちてきたエチオピアの選手を捉えて10位、入賞圏内までわずか6秒に迫った。さらに31.6㎞でE.チュンバ(32、バーレーン)を抜き9位、沿道の声援には笑顔で応え、サークル出身の異色のランナーが東京で粘りの走りを見せた。
沿道からの大声援で力をもらうと、35㎞付近でついにJ.マクレイン(33、アメリカ)を捉えて入賞圏内の8位にあがった。37㎞からの上り坂に入っても小林の足は止まらず。すると、6位を走っていたS.マサイ(31、ケニア)が沿道に倒れこみレースを棄権、小林は7位に浮上。
しかし、38㎞を過ぎたところで、フィンランドのA.バイオニ(27)に抜かれると、それについていこうとしたが、少しふらつく姿を見せた。そこからさらに粘りの走り、6位を走っていたS.ケサン(28、ウガンダ)のスピードが急激に落ちると小林は確実に捉えて、再び7位に順位をあげた。
小林は沿道の絶え間ない声援を受けて最後の力をふり絞り国立競技場へ、歓声を受けると笑顔でガッツポーズ、最後の最後まで粘りの走りでフィニッシュした。
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