石破総理は年頭の記者会見で「令和の日本列島改造」と意気込みましたが、今年もいくつものハードルが待ち受けています。乗り越えられるのでしょうか。
【画像で見る】石破政権「予算案成立」に向けた「3つのシナリオ」
野党との「大連立」は
1月6日午後2時ごろ、石破茂総理は三重県伊勢市を訪れました。
現職の総理大臣による伊勢神宮参拝は新春の恒例で、その後、年頭の記者会見で訴えたのは「令和の日本列島改造」でした。
石破総理
「楽しい日本、これを国民の皆様方と共に作り上げていきたいと考えています。第1の柱として私は、令和の日本列島改造と位置づけ、地方創生2.0を強力に推し進めてまいります」
石破総理は防災庁の新設をはじめ、政府機関の地方移転なども推進していくと強調。
また、1月24日に召集される予定の通常国会をめぐっては「野党にもこれまで以上に責任を共有していただくことが求められている。それぞれが責任ある立場で議論を尽くし、国民の納得と共感が得られることが必要だ」と訴えました。
一方、取りざたされている野党との「大連立」については。
石破総理
「今の時点で、連立というものを考えているわけではありません。大連立を考えているわけでもございません」
「大連立」を否定しました。
最新のJNN世論調査では、石破内閣を支持できるという人は前回の調査から0.7ポイント下落し41.4%、支持できないという人は2.8ポイント上昇し55.2%でした。
※1月4日・5日実施、有効回答1018人
「連携」か「大連立」か 「退陣と“引き換え”」か
藤森祥平キャスター:
石破総理の前に2つのハードルがあります。1つ目は3月中に「来年度予算案の成立」、2つ目は7月下旬の「参議院選挙」です。
今、内閣支持率が下がっていて、少数与党という厳しい中でこのハードルをどう越えるのか。TBSスペシャルコメンテーターの星浩氏によると、1つ目の来年度予算案を成立するために、3つシナリオがあるそうです。
【想定される「3つのシナリオ」】
(1) 国民民主か維新と“連携”
(2) 立憲との「大連立」
(3) 「退陣」と“引き換え”
※TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏より
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
1つ目のシナリオ「国民民主か維新と“連携”」ですが、国民民主が主張していた「103万円の壁」を123万円に上げることになったのですが、国民民主はそれでは不十分だと言っています。さらに130万や140万などに上げていくことで合意して取り込もうという作戦です。
維新は、教育の無償化について、何か新しい対策を打ち出して予算を修正してでも通すということになれば連携が可能ということですが、なかなか両方ともそう簡単ではありません。
藤森キャスター:
2つ目のシナリオ「立憲との『大連立』」ですが、6日時点では「連立を考えているわけではない」ということですが、それでも可能性があるんですか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
立憲も参議院選挙を控えているので、参議院選挙で勝ちたいということもあって、そう簡単には歩み寄れないと思います。ただ、そんな立憲との大連立もあり得るということで、国民民主党や維新を牽制する材料にはなっています。
藤森キャスター:
3つ目のシナリオ「『退陣』と“引き換え”」というのは、自ら辞める覚悟もあるということですか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今、野党が多いわけですから、大前提として政府が出した予算が仮に野党多数で否決されたら政権は終わりです。
相当切羽詰まっているわけなので、「石破総理の首を差し出すから、一部予算を修正して通してください」ということが2月か3月にあるかもしれません。
「参議院選挙でも過半数割れしたら退陣」一番可能性が高いシナリオは
小川彩佳キャスター:
この3つのシナリオのうち、どれが一番可能性が高いのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今のところ、どれも同じくらいですが、ただ石破総理として見れば、3つ目の「『退陣』と“引き換え”」は、かなり犬死というか、首を差し出して終わりということですから、そうなるのであれば、一気に大連立で勝負という考え方も頭の隅にはあるんです。
例えば、選択的夫婦別姓を自民党と立憲民主党でやって、自民党の右の人たちを切ってでもやるというような覚悟があれば、大連立に踏み出せるんですが、どうも現状では石破総理にその覚悟があるとは思えません。
小川キャスター:
総理として何がしたいのか、どういうことを目指しているのかが見えないところがありますね。そうしたなか、夏には参議院選挙が待ち構えているわけですよね。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
参議院選挙でも過半数割れしたら、退陣ということになります。そうならないため、どうしていくのかは、これから数か月のことです。
何といっても一番大事なのは国民生活ですよね。物価高で苦しんでいる国民生活に、どういうふうにプラスになるかを最優先で考えてもらいたいと思います。
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<プロフィール>
星浩 さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年
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