大雪をもたらした“最強寒波”のピークが過ぎ、気温が上がったことで雪崩や落雪などの「融雪災害」に注意が必要です。融雪災害が発生する前には、どんな“予兆”があるのでしょうか?
【写真を見る】“ひっかき傷”のような裂け目、“シワ状の雪模様”…雪崩の前兆は
福島では孤立も…雪崩の予兆は?
井上貴博キャスター:
内閣府資料によりますと、雪崩は2種類あるということです。
【表層雪崩(1~2月)】
・時速100~200km
・古い積雪面に一気に降り積もった新雪の層が滑り落ちる
【全層雪崩(春先の融雪期)】
・時速40~80km
・斜面の積雪層すべてが地表面を流れるように滑り落ちる
国道交通省のHPによりますと、雪崩には様々な予兆があるそうです。
【雪崩の予兆は?】
・スノーボール:斜面をボール状のかたまりがころころ落ちてくる
・クラック:斜面にひっかき傷のような裂け目が現れる
・雪しわ:シワ状の雪模様が現れる
「最初はゆっくりだった」屋根などの積雪が次々と…
雪解けによって危険が高まるのが「落雪」と「冠水」です。
南会津町観光物産協会が2024年12月25日に撮影した落雪の映像を見ますと、屋根に積もった雪が一部分落ちると、次々に雪が落ちていきます。
動画の撮影者は「最初はゆっくりなんです。ドスンドスンって。ドスンドスンが狭まっていって、もうダダダダダダという感じでものすごい音だったんですよ」といいます。
防災科学技術研究所の実験では屋根から雪のかたまりを落とすと、地面に置いた木箱が壊れるほどの破壊力があったそうです。
広瀬駿 気象予報士:
(雪は)かなり重みがあります。そもそも雪国の屋根は雪が落ちやすいような構造になっています。つまり落雪の危険があるので、なるべく近づかないような対策をとることが必要になります。
ホラン千秋キャスター:
雪下ろしをするときにも、巻き込まれて滑り落ちないようにしなくてはいけませんね。
広瀬 気象予報士:
12日も気温が上がり、雪が緩みやすくなっています。どうしても雪下ろしをしなければならない方は、なるべく複数人で雪下ろしをしてください。
ホランキャスター:
雪に慣れていない方は、旅行の際などは気をつけたいですね。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
この時期はスキーを楽しむ方も多いと思います。細心の注意をしながら楽しんでください。
雪解けで「冠水」の危険も
井上キャスター:
落雪を撮影した方によりますと「落雪は音でわかる」といいます。
福島県の金山町地域おこし協力隊が2月9日に撮影した動画を見ますと、屋根の上から「ガリガリ」という音が聞こえます。その音はだんだんと狭まり、その後 落雪しました。地元の方はこの音が聞こえると落雪することがわかるそうです。
さらに「冠水」にも注意が必要です。
2021年1月10日に新潟県糸魚川市で撮影された動画を見ますと、流雪溝に雪が詰まり、行き場のなくなった水が道路にあふれて冠水状態になってしまいました。
防災科学技術研究所 主任研究員の平島寛行さんは「除雪作業が集中する週末・休日に起きやすい」といいます。
広瀬気象予報士:
雪はすぐに溶けてなくなるわけではありません。10cmの雪解けは約100mmの大雨に相当します。川も増水しやすい状況になりますので、雪国の皆さんは最新の情報を確認して過ごしてください。
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<プロフィール>
気象予報士 広瀬駿さん
1989年愛媛県生まれ
気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー
横浜国立大学大学院で台風を研究
松田丈志さん
元競泳日本代表
五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父
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