先週行われた高市総理初めての所信表明演説。「どんな考えだ!」「何言っているかわからない!」などの演説内容をかき消すほどの“ヤジ”が波紋を広げています。国会に飛び交うヤジは、どうあるべきなのでしょうか。
乱れ飛ぶヤジ… 高市総理の演説中
70代
「大谷のブーイングみたいなもの、無視すればいい」
60代
「しっかり聞きたい、うるさい」
それは、先週金曜日のことでした。
高市総理による初めての所信表明演説。壇上に上がった途端…
ヤジ
「“暫定税率”廃止スピード後退してますよ!」
飛んできたのは、野党議員によるものとみられるヤジ。演説が始まると…
高市総理
「『責任ある積極財政』の考え方のもと、戦略的に財政出動を行います」
ヤジ
「どんな考えだ!」
「何言ってるかわからない!」
「旧統一教会の被害者の未来も守ってください!」
与党側
「静かにしろ!」
ヤジをいさめる声も上がりますが…
高市総理
「国家国民のためであるならば決してあきらめない」
ヤジ
「あきらめずに裏金問題 解決しましょう!」
演説をかき消すようなヤジに、ネット上では批判の声が殺到。日本維新の会・吉村代表はSNSで…
日本維新の会 吉村洋文代表(SNSより)
「人の話はちゃんと聞こう。子供に見せられない、恥ずかしいよ」
一方、立憲民主党の小西参院議員は、「素晴らしいヤジ」と投稿。
立憲民主党 小西洋之参院議員(SNSより)
「これぞ議会政治であり、このヤジを放った議員は国民代表として称賛されるべきだと思います」
ヤジはこれまで「議会の華」とも言われてきました。過去にはこんなシーンも…
自民党 鈴木宗男 衆院議員(1986年 当時)
「社会党なんて政党じゃない!」
“ヤジ将軍”とも呼ばれた鈴木宗男氏。
社会党 川崎寛治 衆院議員(1986年 当時)
「鈴木くん黙れ!」
激しいヤジには果敢に反論。
国民新党 亀井静香 金融相(2010年 当時)
「金融機関に対して相談をどんどんしていただきたい。それに対して…ウルサイ!」
ヤジに反応するあまり、やりすぎる人も…
保守党 松浪健四郎 衆院議員(2000年 当時)
「我々保守党は体を張ってお守りします。森内閣に…(水をかける)」
野党
「ワーワー!(大荒れ)」
「議会の華」だが“総理ヤジ”も…
総理自らがヤジを飛ばしたこともありました。
民主党 玉木雄一郎 衆院議員(2015年 当時)
「こんなことができるんだったら、みんな各業界やりますよ」
安倍晋三 総理(2015年 当時)
「日教組」
民主党 玉木雄一郎 衆院議員(2015年 当時)
「総理、ヤジを飛ばさないでください。これ真面目な話ですよ。政治に対する信頼をどう確保するかの話をしてるんですよ」
安倍晋三 総理(2015年 当時)
「日教組どうすんだ、日教組」
予算委員長
「いやいや、総理総理、ちょっと静かに」
当時、謝罪に追い込まれた安倍総理ですが、この5年後にも…
安倍晋三 総理(2020年 当時)
「意味のない質問だよ」
立憲民主党 辻元清美 幹事長代行(2020年 当時)
「いま『意味のない質問だよ』って言ったんですよ」
恒例ともいえる国会のヤジ。
高市総理
「日本の最大の問題は人口減少であるとの認識に立ち…」
ヤジ
「子育て支援金を上げてください!」
「現役世代からお金を取らないでください!」
与党側
「うるさいよ!」
「黙って聞け!」
“国会ヤジ”どう思う?有権者は
これに、街の人は…
20代・会社員
「最後まで話を聞かずに意味のない言葉『何言ってるかわからない』とかは、あんまりよくない」
20代・大学生
「とりあえずヤジ飛ばせばいいみたいな感じで言うのは違うと思う」
50代・主婦
「ヤジは悪くないと思う。小声でごちゃごちゃ言うよりも、大きな声ではっきり言っている方が私たちにとってもわかりやすいですし」
50代・飲食業
「大人がやることじゃないなっていうヤジばかりだから、見ていて見苦しい」
20代・医者
「関西出身なので、阪神タイガースの試合とかでヤジには慣れているんですが、国会という場でヤジとかを見ると、ちょっと『言ってやれ』って気持ち半分、『言い過ぎやで』って気持ちも半分で、複雑な気持ちになる」
30代・会社員
「今の政権、自民党も今までヤジって、すごいたくさんやってきたんで、今回批判がたくさん出てることに関しては、今に始まったことじゃないかなとは思う」
みなさんは国会のヤジについて、どのように考えますか?
高市政権 直面する「3つの課題」
小川彩佳キャスター:
NEWS DIGアプリ「みんなの声」のアンケートでは、「議論の妨げになる場合は排除すべき」が一番多いですね。次点が「全面的に禁止すべき」。結構、意見が割れていますね。内容をどう考えるのか、それとも野次全般がもう駄目なのか。いろんなご意見を、皆さん持たれてると思うんですけれども。
懐かしい映像もたくさん出てきましたが、星さん、長年国会をご覧になってきて、ヤジについてどう感じますか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩 氏:
私も長く見てきましたけど、やっぱりヤジといっても「節度」と「ユーモア」が必要だと思いますね。
VTRもありましたけど、安倍さん何かは総理席から「意味のない質問だ」とか野党の議員をヤジったりしたこともありましたけど、今これだけ問題になっている1つの理由は「SNSの普及」と、それからもう1つ、「政治構造の変化」があると思うんです。
つまり岸田さん・石破さんの頃は、野田さんも含めて野党と何となく「協調型」、一致点を見出そうという動きがあったのですが、やはり高市さんになってから少しヒートして来まして、野党と自民党との「対立型」がかなり際立ってきた。
それが今回のヤジにも表れましたし、今の自民党は少数で、それに対して危機感もあります。野党側も攻勢を強めてますから、その与野党の関係の変化がこのヤジにも表れているかなというふうに思いますね。
喜入友浩キャスター:
形や姿勢が変わってきていますが、大事なのは中身です。まさに高市政権が直面する課題を3つ、星さんに挙げていただきました。
高市政権が直面する「3つの課題」
(1)維新との連立維持(議員定数削減)
(2)外交・安保(防衛費の財源など)
(3)物価高対策
星浩 氏:
これから本格的に始まります維新と合意した「定数の削減」。1割の50人ぐらい削減するって、これは非常に容易じゃありませんので、これがもしできなくなったら維新はそれこそ、いきなり連立離脱ということだってないわけじゃありませんから、相当緊迫すると思います。
「防衛費」は先ほど日米首脳会談について話しましたけど、増やすんですけど、その財源をどうするんだっていうのは非常に難問ですよね。
それから何といっても一番大きいのは「物価高対策」。本当はこのインフレに対しては、金利を上げるっていうのが一番効果的な方法なんですが、そうすると景気が失速するということもあって、なかなか踏み切れない。そこをどう乗り切るかっていうのは、高市さんにとっては最大の難問だということになると思いますね。
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