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子どもが夢中なカードに…おじさん? 小さな町の“おじさんトレカ”に世界が注目 カードがつなぐ「地域の絆」【news23】

国内
2025-10-30 13:16

市場規模3000億円を超えたというトレーディングカード。空前のブームの中で話題なのが“おじさんトレカ”です。モデルは、ある地域に住む本当の「おじさん」で、キャラクター名や技などにもその人らしさが込められています。世界からも注目されるユニークなトレカ。その誕生のワケとは。


【写真を見る】「ウォーターエイジ」など必殺技が付いた“おじさんトレカ”


日本で世界で“トレカ”ブーム 市場規模3000億円超

空前のブームとなっている「トレーディングカード」。3万円や6万円はもちろん...


カードボックス小倉リバーウォーク店 波田祐也さん
「17万6000円、こちら『かんこうきゃく』っていうカードになります。今じゃもう手に入りづらいという希少価値もあると思います」


5年ほど前から市場規模が急拡大し、2024年度はついに3000億円を超えました。


プレイヤー
「(ゲームで)勝っている時が一番楽しいですね。好きなキャラだったら、集めようかなというのはありますね」


その人気は海を越え、世界を巻き込むブームとなっています。


――ポケモンカードは好き?


NYの子ども
「好き。交換するのが楽しい」


普通のおじさんを“トレカ”に 子どもが夢中

そんな中、福岡県香春町にある採銅所地区。人口約1700人、コンビニもない小さな集落で暮らす子どもたちが今、夢中になっているのが、おじさん…おじさん…おじさん!全部おじさんの「サイdo男(さいどめん)カード」。


実際にこの地域に住む男性たちのイラストに、「ウォーターエイジ」や「ホワイトナイトメア」のような、必殺技などが書かれています。


例えば、コーヒーの焙煎が趣味のおじさんに付いたキャラクター名は「カインド・ロースター」で、「ブルーマウンテン」という技で体力を全回復させることができます。


これを使って、いざ!カードバトル!


男の子
「うわ、低め」

女の子(小学2年生)
「寒水石!やった!よし、これで1対1だ」


女の子(小学2年生)
「おじさんで戦うのが面白いです。(実際におじさんと)会った時に、『あ、かっこいい』って感じでした」


男の子(中学1年生)
「ごく普通のおじさんに見えるけど、『採銅所で活躍していますよ』っていうのがあるのがいいなって思います。一番好きなカードは『ファイヤーウォール』です。この人とは結構話したことはあるんですけど、めっちゃ話しやすいし、その場を盛り上げてくれるみたいな」


カードには、地域でボランティア活動するおじさんたちが多く登場しています。


2023年の誕生以来、29人がカードになりました。


「インスピレーションを与える存在」世界も注目

音響機器が好き 高尾忠弘さん(70)
「私のキャラクターは『ビデオストーリー』です。時々(孫の)学校のバスを迎えに行くんですよね。みんなが『キャー』って手をふってくれます」


メンマ作りが得意 奥田龍也さん(73)
「私は『スパイシーストロングメンマン』です。(カードに)サインして欲しいとか言われると、ちょっと戸惑うというか、気恥ずかしい気がしますね」


評判は海外にも伝わり、カードを求めて採銅所地区を訪れる外国人の姿も。


また、イギリスのガーディアン紙は、「サイdo男カード」の取り組みを「過疎化に悩む他の地方コミュニティにインスピレーションを与える存在」と評価しています。


“おじさんトレカ”で地域に絆を

カードを企画したのは、地元で生まれ育った宮原絵理さん。地域のつながりが薄くなっていく現状を目の当たりにしたことが、きっかけだったそうです。


採銅所地域コミュニティ協議会 宮原絵理さん
「子供は大人のことを知らないし、大人も声もかけられないとか、同じ地域の中に住んでいるのに(関係性が)希薄なところがすごく目立っていました。住んでいる子どもたちに『この人たちはすごいよ』とか、『こんなことやってくれている人がいるよ』っていうのを紹介したくて作りました」


カードには「その人らしさ」を詰め込みました。


採銅所地域コミュニティ協議会 宮原絵理さん
「元々営業職をされていて、お話がとっても上手なんですよ。なので饒舌なランナーで『トカティブ(おしゃべり)ランナー』、北九州マラソンに3度も出たことがあるんです。私たちは彼らのことをヒーローだと思っています」


人気の一方で高額転売も

カード効果で地域ボランティアに参加する子どもの数は2倍に増えました。


一方、人気が高まったことで高額転売が相次ぎ発生。6枚セット500円のカードですが、1枚4000円の値段がついたものもあり、6月から販売の中止が続いています。


女の子(小学2年生)
「めちゃくちゃ悲しいです。新しいカードもどんどん出ているのに、今、販売中止をしているからデッキが増えないのが悲しいです」


それでも、地域のおじさんは子どもたちのヒーロー。


女の子(小学2年生)
「サインください!めっちゃくちゃ嬉しいです!」


カードがつなぐ「地域の絆」がそこにはありました。


世代を超えて“トレカ”でつなぐ絆 子どもたちの居場所にも

小川彩佳キャスター:
発想が素晴らしいですよね。


トラウデン直美さん:
最高ですね。本当に地域で活動してらっしゃる方をヒーローにして、子どもたちとの繋がりもできる。それがゆくゆくは子どもたちの居場所にもなるのは、本当に素晴らしい繋がりの取り組みだなと思いますね。子どもたちの中にも、「いつか僕もあのカードになるんだ」っていう子がいるかもしれない。


小川キャスター:
これが他の地域や職場にも応用できるかどうか期待できますね。


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<プロフィール>

トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行


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