大谷選手の元通訳・水原一平被告はなぜギャンブルにのめり込み犯罪に手を染めたのか。友人らの証言からその人物像に迫ります。
大谷選手名乗り送金依頼も…
検察が裁判所に提出した電話の音声。「オオタニ」と名乗ったのは水原一平被告です。
銀行担当者「お名前を教えて頂けますか?」
水原被告「大谷翔平です」
銀行担当者「送金理由は何ですか?」
水原被告「自動車ローンのためです。20万ドル(約3100万円)です」
大谷選手を装い送金を依頼する様子が記録されていました。
野球界のスターが巻き込まれた前代未聞の事件。水原被告は、ギャンブルの借金返済などのため大谷選手の口座からおよそ1700万ドル=日本円で26億円を不正送金した銀行詐欺罪などに問われています。
検察側は禁錮4年9か月を求刑していますが、量刑の判断には”被告人の経歴や性格”が考慮されることも。通訳としての顔以外、あまり知られていない“水原被告の素顔”を追いました。
友人らが明かした水原被告の素顔と“誠実な仕事ぶり”
6歳の時に日本からカリフォルニア州に移住した水原被告。中学・高校時代の同級生はー
水原被告の中学・高校時代の同級生
「出会った頃、彼の英語はまだ完璧ではありませんでしたが、理解するのには十分でした。普段はアメフトやサッカーなどをして遊んでいました」
また、水原被告の性格をこう振り返ります。
水原被告の中学・高校時代の同級生
「彼は周囲をよく観察し、事態を把握してから行動するタイプでした。状況を見極めてから言葉を発する性格は、通訳に適していたのかもしれません」
別の友人も水原被告にとって通訳は天職だったと話します。
水原被告の同級生 スティーブンさん
「(水原被告は)人の空気を読む人ですし、人の思っていることも読み取れる人だと思うので、彼にとってパーフェクトな職業を見つけたなと思った」
かつて水原被告が通訳を担当したミッチ・ライブリーさん。2015年に北海道日本ハムファイターズに所属していた投手です。
元日本ハムの投手 ミッチ・ライブリーさん
「ある選手と対戦した時『小柄だから速球で攻める』と話したら、一平は『パワーがある選手だからよくない』と。アドバイスがなければ、ホームランを打たれていたでしょう」
「対戦相手の特徴を踏まえたアドバイスをくれた」と水原被告の仕事ぶりを評価します。
ミッチ・ライブリーさん
「 電車の乗り方、球場への行き方、靴をいつ脱ぐかまで日々の生活で必要なことを全部教えてもらいました」
時にはビザの申請や、病院の診察などにも立ち会ってもらったと言います。
ミッチ・ライブリーさん
「一緒に銀行に行きましたが、彼が私の口座情報などにアクセスすることはありませんでした。当時はギャンブルを示唆する行為もありませんでした」
証言から浮かび上がるのは水原被告の“慎重な性格”と“誠実な仕事ぶり”。そんな水原被告がなぜ、犯罪に手を染めたのでしょうか?
「好転のチャンスだと…」なぜギャンブルにのめり込んだのか
水原被告が裁判所に提出した書簡には、ギャンブルにのめり込んだ経緯が綴られています。
水原被告の書簡
「ギリギリの生活を送っていました」
エンゼルス時代に水原被告が受け取っていた年俸は、日本円で約1300万~3900万円。それでも大谷選手の近くに住むには高額な家賃などが必要で、生活は困窮していたと訴えています。
そんな時に、出会ったのが違法賭博の元締めでした。
水原被告の書簡
「バカなことに、ギャンブルを経済的に好転させるチャンスだと捉えてしまいました」
しかし、ギャンブルの負けがかさみ借金は膨れあがる一方。大谷選手の金を使う以外に返済の手段が見つけられなかったとしています。
これに対し、検察は水原被告の口座には「常にかなりの残高があった」と指摘。家賃の支払いも大谷選手のカードを無断で使用していたとして、経済的負担がギャンブルに繋がったとする水原被告の主張に反論しています。
今回の捜査を担当した元検事は…
捜査を担当したダン・ボイル元検事
「追い詰められたり、依存症を患っていたりする人が、信頼された立場を悪用するケースは多く、水原被告はまさにその一例だと言えます」
書簡では「自分の行動を後悔している」とも述べ情状酌量を求めた水原被告。かつての友人はこうメッセージを送りました。
ミッチ・ライブリーさん
「ギャンブル依存症だという報道が事実なら、必要な助けが得られるように願っています」
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