イギリスがヨーロッパ連合の離脱を決めてから10年。いまだ政治的混乱が続いており、来週は「この10年間で7人目の首相」が誕生します。新たな首相は今度こそ安定した政治運営ができるのか?現地を取材しました。
上昇しつづける物価や、高い失業率に対する国民の不満が渦巻くイギリス。来週20日、新たな首相が誕生します。マンチェスター市長を9年間務めた労働党のアンディ・バーナム氏です。
労働党 アンディ・バーナム次期首相(先月19日)
「政治が機能していないことは、誰もがわかっています。この国があるべき姿ではないと、誰もが実感しています。今夜はもしかすると、転換期になるかもしれません」
バーナム氏は10年で7人目の首相となります。次々と交代してきた首相。その原因の一つと言われているのが、10年前の2016年に国民投票で決まった、「ブレグジット」=EUからの離脱です。
イギリスはEUの一員ではなくなったため、モノの輸出入で煩雑な通関手続きが必要となり、いまも中小企業に大きな影を落としています。
記者
「イギリスがEUを離脱してから10年が経ちますが、こうした伝統的なレース製造会社にも、未だに大きな影響をもたらしているということです」
創業260年以上の歴史があるこのレース製造会社は、過去にキャサリン妃のウェディングドレスのトレーンにも採用されたレースを製造しています。
しかし、ブレグジット以降、フランスで行う染色工場の往復だけでWTOの規定による関税が発生。年間およそ428万円もの余計な出費を強いられています。
クルーニー・レース社 チャールズ・メイソン社長
「ここで作るものはすべてフランスに送って、染色・仕上げを行い、再びここに戻さなければならないのです。ただフランスに送るだけのために8%もの関税が課されるのです」
輸出の経費がかさみ、23人いた従業員も現在6人にまで減ったといいます。
クルーニー・レース社 チャールズ・メイソン社長
「(EU離脱は)愚かだというだけでなく、問題は何も適切に行われなかったことです。いわゆるFTA(自由貿易協定)なんて名ばかりです」
EU離脱がイギリスに与えた影響に詳しい専門家は、「政治家は課題から目を背けず、正直であるべきだ」と指摘します。
EU離脱の影響に詳しい ジョセフ・ミーガン氏
「何が起こるかについて、バラ色の見通しを提示することは、政治において非常に簡単な場合がありますが極めて危険です」
記者
「週明けには、こちらで就任会見を行うバーナム新首相。ブレグジットの経済停滞からどう浮上するのかが長期政権のカギとなりそうです」
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