日本でも高齢化が進む中、世界で急拡大しているのが“長寿ビジネス”です。その市場規模は95兆円に達するともいわれますが、中国で広がる“長寿ビジネス”の現状と課題を取材しました。
今月、上海市で開催された国際フォーラム。「長寿」をテーマとしたもので、中国や海外の研究者らが登壇し、成果を発表しました。
会場にはおよそ40社の企業が出展。「老化を抑制する」などとうたうサプリメントなどをPRしました。
記者
「こちらはペット用のサプリメントということですが、商品のスローガンを見てみると、『あなたとともに30年歩んでいこう』ということが書かれています」
犬の平均寿命を大きく上回る数字を掲げた広告も。
出展した企業担当者
「(中国で高齢化が進む中で)アンチエイジングや長寿へのニーズが高まるため、市場はますます大きくなっていくでしょう」
“長寿ビジネス”の市場規模は今年およそ95兆円に達するとの予測もある中、そこに目をつけたスタートアップ企業があります。
広東省深セン市にある企業。2022年に設立し、企業や大学と協力しながら「老化細胞」に着目したサプリを開発・販売しています。ブドウの種やリンゴの皮などに含まれる天然ポリフェノールの一種の成分に「老化細胞を取り除く作用が期待できる」と彼らは主張します。
サプリを開発・販売する会社 ジーコCEO
「私たちの目標は老化細胞を取り除く、あるいは老化細胞による悪影響を抑えることで、老化そのものや老化に伴う疾患の治療・改善につなげることです」
会社とは別の研究チームが実験で高齢のマウスにこの成分を投与したところ、寿命が延びたといい、この研究報告をもとにサプリを開発、1月から販売を始めました。
サプリを開発・販売する会社 ジーコCEO
「中には3袋入っています。これを1日1袋、3日間かけて飲みます」
1箱3日分で250ドル。日本円でおよそ4万円と高額ですが、顧客には経営者が多く、東南アジアやヨーロッパなど10か国以上に輸出されているといいます。
サプリを開発・販売する会社 ジーコCEO
「私は150歳まで生きることは十分可能だと思っています。ただ重要なのは健康的な食生活、十分な睡眠・適度な運動・ストレスをできるだけ少なくすることです」
こうした“長寿ビジネス”。街では懐疑的な声も…
街の人
「(宣伝では)寿命を延ばせるとうたっていますが、実際に延びるかどうかは誰にも分かりません。(身体への悪影響は)もちろん心配はあります」
フォーラムに登壇した日本の医師は、こう指摘します。
東京慈恵会医科大学 再生医学研究部 太田裕貴 准教授
「マウスでは安全でも、人では有害だというリスクは常にはらんでいる」
別の専門家も「安全面でのリスクはある。身体への影響を慎重に確認すべきだ」と警鐘を鳴らします。
急拡大する“長寿ビジネス”市場。人への効果や安全性を、どう検証していくのかが課題となっています。
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