
ラーメン業界に異業種の大手飲食チェーン店が続々と参入しています。その狙いとメリットとは?
【写真を見る】ラーメン店倒産“過去最多”の中で大手チェーンが「ラーメン参入」なぜ?【THE TIME,】
「海鮮出汁で挑む」牛丼チェーン
7月30日、東京・西新宿にオープンした『松太郎』。
「醤油ラーメンがあっさりしていて私の好みに合った。この辺のラーメン屋さんの中では“かなりリーズナブル”」
「SNSで“松屋が作った新たなラーメンブランド”があると知って来てみた」
そう、こちらは牛丼チェーンの『松屋フーズ』が手掛けるラーメン店。
看板メニュー「醤油ラーメン」のスープは、海鮮出汁と厳選した4種の醤油をブレンド。麺はスープに良く絡むようあえて中細で、肉厚チャーシューも入って680円です。
番組スタッフ:
「メインの醤油の味はもちろん、ほんのりと海鮮の味がしてすごく美味しい」
「行列ができる名店」も異業種運営
そして、あの“居酒屋チェーン”も2つの人気ラーメン店を手掛けています。
2001年創業で北海道に本店を構える『えびそば一幻』は、国内外に13店舗を展開する行列の絶えない人気店。
看板商品の「えびみそ」(990円)は、大量の甘エビをじっくり煮込んだスープが絶品の味噌ラーメンです。
そして、2005年創業の『つけめんTETSU』は、東京につけ麵ブームを巻き起こした名店で全国に23店舗を展開。
看板商品の「濃厚豚骨魚介つけめん」(味玉つけめん・1090円)は、豚骨と鶏がらスープに、煮干し・鰹節など魚介出汁をあわせたつけ汁が特徴です。
この2つのラーメン店を手掛けているのが、24時間営業の海鮮居酒屋チェーン・磯丸水産を運営する『クリエイト・レストランツ・ホールディングス』です。
また、牛丼大手の『吉野家ホールディングス』も、塩ラーメンが人気の『ひるがお』や、鶏白湯らーめんと台湾まぜそばが看板メニューの『キラメキノトリ』などを買収し、124店舗を運営しています。
大手飲食チェーンが「ラーメン参入」のワケ
「知名度のあるラーメンチェーンを買収する動きが広がってる」
こう話すのは、マーケティング専門紙『日経MJ』の永井編集長。その理由は…
『日経MJ』編集長・永井伸雄さん:
「日本を代表する食と言うと、ずっと寿司と言われていたが、外国の人がどんどん日本に来るようになりラーメンの評価がすごく上がっている」
インバウンドによるラーメン人気の高まりもあり、本業よりも【ラーメン事業は海外進出がしやすい】とのこと。
実際に「えびそば 一幻」も、香港・台湾に出店し連日大人気となっています。
『クリエイト・レストランツ・ホールディングス』常務取締役・大野仁之さん:
「ラーメンは日本が誇る食文化の1つなので、今後さらに海外で展開する可能性も考えられる」
異業種が救う「倒産最多の危機」
異業種のラーメン事業参入が目立つ一方で、2024年はラーメン店の倒産が72件と過去最多を更新。(※帝国データバンク調べ)
しかし、大手チェーンがラーメン事業に参入することで、この危機的状況を変えられる可能性もあるといいます。
『日経MJ』編集長・永井伸雄さん:
「原材料や人件費のコスト高で経営が成り立たなくなり廃業してしまう。大手が参入し傘下に入ることで“味が残っていく”のはメリットの一つ」
「えびそば一幻」「つけめんTETSU」を運営する会社も…
『クリエイト・レストランツ・ホールディングス』常務取締役・大野仁之さん:
「個人店だと“1000円の壁”を超えるのが怖くて、値上げできずに苦しむ。我々としてはむしろ『そこは思い切ってやりましょう』と値上げに踏み切る。値上げでお客様にご迷惑をかけながらも、“愛される店が長続きするメリット”を感じてもらったほうがいい」
(THE TIME,2025年8月15日放送より)
・エアコン「1℃下げる」OR「風量を強にする」どっちが節電?「除湿」はいつ使う?賢いエアコンの使い方【ひるおび】
・スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
・「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】