お値段から世の中の動きを読み解いていく「きょうのお値段」。今回のお値段は、紅葉のパノラマが楽しめるロープウェー「3050円(13日時点)」。
実は10月に入って気温がぐっと冷えたことで今年はきれいな紅葉が楽しむことができ、観光地の“紅葉の価値”が上がっているようです。
きれいな紅葉が見頃に!標高の高いところから…
出水麻衣キャスター:
北海道・上富良野町の標高1280m地点の、9月30日に撮影された映像を見ると、黄色や赤に美しく発色した紅葉と緑の色鮮やかなコントラストが広がっています。
青森内有数の紅葉の名所「八甲田山」は、猛暑の影響で平年より3日ほど紅葉が遅いとのこと。10月10日に撮影された映像を見ますと、見頃を迎えているのは、標高1000m付近の睡蓮沼で、カエデなどが色づいています。
長野・小谷村では、標高1900mにある「栂池自然園」の紅葉が見頃になっています。雄大な北アルプスとの共演も美しいです。
栂池ビジターセンター 猪股崇志 センター長
「(紅葉は)ここ10年の中でベストですね。それぐらい色づきがきれいです」
いま標高が高いところから、徐々に紅葉が始まっています。
ウェザーニュースの「紅葉見頃マップ(10月9日時点)」を見ると、「山形・蔵王」が10月14日ごろ~見頃になり、その後、「田沢湖高原(10月18日頃~)」や「上高地(10月17日頃~)」または、東京「高尾山(11月21日頃~)なども見頃を迎えていきます。
【紅葉見頃マップ】
大雪山旭岳:既に落葉
山形蔵王:10月14日頃~
大沼公園:10月22日頃~
田沢湖高原:10月18日頃~
いろは坂:10月27日頃~
高尾山:11月21日頃~
上高地:10月17日頃~
香嵐渓:11月21日頃~
嵐山:11月21日頃~
大山:10月31日頃~
べふ峡:11月11日頃~
宮島:11月18日頃~
秋月城跡:11月25日頃~
霧島:11月9日頃~
(ウェザーニュース 10月9日時点)
気象予報士の片山由紀子さんによりますと「今年は暑さが長引いて紅葉が遅れているところもある」ということです。
「今年は紅葉の当たり年」色づく3つの要因
出水キャスター:
2025年は、紅葉好きの方に朗報があります。
気象予報士の片山由紀子さんによりますと、「今年は紅葉の当たり年の可能性」があるそうです。
そもそも紅葉に色づく要因には以下のようなものがあります。
▼寒暖差
9月は猛暑が続いていましたが、10月に入り昼夜の寒暖差が大きくなったことで、色づきが鮮やかになってきた。
▼葉っぱの状態
夏場は日照時間が長く、雨が少なかったので、葉っぱの中に大量の栄養が蓄えられた。これが強く色づく要因になっている。
▼台風
2025年は直撃が少なく、葉っぱの痛みも少ない。
こういった要員があり、数年の中でも2025年は見事な当たり年になるのではないかということです。
「価格変動制」を導入 客にも運営側にもメリット
出水キャスター:
その恩恵は、以下のような所でも見られます。
▼長野・駒ケ根市
中央アルプスを望む「千畳敷カール」。
3連休(10月11~13日)に観光客が最多となりました。ロープウェイ待ちには行列ができるほどでした。
ロープウェイに乗り込めば約7分間、紅葉を見下ろす空の旅が楽しめます。
そして、たどり着いたのは、標高約2600mに広がる「千畳敷カール」。
畳を約1000畳敷けるほど広いことから付いた名前で、日本で最も早く紅葉が楽しめる場所の1つです。
2025年はここ数年で一番紅葉の色づきが良いということです。
ロープウェイを運営してる会社の担当者によると「2025年の千畳敷カール」は、▼赤色が強く出ている、▼赤色の期間が長いとのこと。
今はすり鉢状もなっているところが見頃ですが、今後は麓に向かって紅葉が進んでいくということで、今週以降はロープウェイ区間で見事な紅葉を楽しむことができるそうです。
紅葉をいろんな方に、いろんな選択肢を持って楽しんでいただきたいということで、ロープウェイの会社は「ロープウェイの価格変動制」を、2023年から導入しています。
「中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイ 10月価格カレンダー(大人料金 往復)」を見ますと、3連休などは3050円と10月の価格では一番高くなります。一方で、平日は2790円と少し安くなり、さらに、紅葉の見頃が麓に移ってきた頃は2540円と、最大で500円程度安くなります。
価格変動制を導入することで、週末に分散していた客を平日にも移動させています。お客さんにとって料金が安くなるというメリットがあり、混んでいないのでストレスも減ります。
会社にとっては、客が土日祝日に集中せず、安全にロープウェイを運行できるメリットがあるため、「導入してよかった」という声も聞こえています。
経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
最近は遊園地などでも価格変動制をして、できるだけ平日に人を流そうという取り組みがあります。また、例えば花火大会の運営費が足りなくて開催できなくなってしまったということもあるので、このようにきちんと利益を確保して、持続可能な形で紅葉が見られる環境を続けてほしいなと思います。
出水キャスター:
このような取り組みは、珍しい紅葉の観光地でも行われています。
愛知・豊田市で11月15~30日に「小原四季桜まつり」が開かれます。紅葉だけではなく、春と秋に2回咲く「四季桜」と「紅葉」が同じ時期に楽しめるという珍しい観光スポットです。
通常は無料の駐車場を、まつりの期間中は約500~1000円の価格にしています。この駐車場代は、桜の保全などに使われているということです。
井上貴博キャスター:
外国人観光客は紅葉などを目当てに日本に来るぐらいですからね。
経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
もしかすると、外国人観光客用の値段検討をする余地がありますよね。
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〈プロフィール〉
馬渕磨理子さん
日本金融経済研究所代表理事 “日本一バズる”アナリスト
様々なお金の話をわかりやすく解説
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