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予算気にしながらのクリスマス どうなる?物価高…来年度予算案は過去最大122.3兆円→4分の1は“借金”返済 「自分の代で終わらせたい」の声も【news23】

経済
2025-12-25 15:46

政府は来年度予算案を、過去最大となる122.3兆円程度とする方針を固めました。国債の発行額はさらに膨らむことになり、“借金”頼みの財政に懸念も広がっています。


【写真を見る】片山さつき財務大臣「重鎮が最後にどーんと」林芳正総務大臣「いやいやいや…」


「お腹いっぱい食べずに…」クリスマスにも物価高の影

花火が夜空を彩ります。横浜市のクリスマスマーケットでは午後8時前に雨があがりました。


学生カップル
「素敵だな」
「雨が止んだのが一番よかった」


Q.クリスマスプレゼントは

学生カップル
「これもらいました、マフラーもらいました」
「この靴もらいました」


中には、予算を気にしながらのクリスマス、という人も。


父親(20代)
「1ホールだと食べきれないので、ショートケーキ・カップケーキとか買って対策」

学生カップル
「ちょっと高いので、ここでお腹いっぱいは食べずに、帰ってからお腹いっぱいになろうという戦法」
「他の場所で食べようかなというのはありますね」


収まる気配のない物価高。それをさらに加速させかねないのが、来年度の国の予算です。


来年度の予算案“過去最大”更新へ

協議は大詰めを迎えていて、24日は小泉防衛大臣や林総務大臣らが片山財務大臣のもとを訪ね、直接交渉に臨みました。


片山さつき 財務大臣
「林総務大臣が最後でございますので。重鎮が最後にどーんと。しかも額も大きいし」


政府は2026年度予算案の一般会計総額について、122兆3000億円程度とする方針を固めました。2025年度を7兆円以上、上回り、2年連続で過去最大を更新することになります。

歳入についてはインフレの影響で、所得税や消費税などの税収が増える見込みです。それでも不足分は大きく、国の借金「国債」の発行額は29兆6000億円程度で、2025年度を上回る見通しです。

財政悪化の懸念がくすぶる中、“予算規模の拡大がさらなる物価高を招きかねない”という指摘も。


野村総合研究所 木内登英 エグゼクティブ・エコノミスト
「財政拡張させると、通貨の信用力が落ちて円安になり物価高になってしまう。『物価高対策が最も重要だ』という説明をしながら、実は物価を上げるような政策をしてしまっているのが一種の矛盾。高市政権の経済政策の矛盾でもある」


歳出のうち大きなボリュームを占めるのが、国債の返済や利払いにあてられる「国債費」です。金利の上昇で31兆3000億円に膨らみ、予算全体の4分の1を占めているのです。


野村総合研究所 木内登英 エグゼクティブ・エコノミスト
「利払い費が増えて、それによって財政悪化してまた赤字の拡大、つまり国債の発行を増やさなくちゃいけなくなって、それによってまた財政リスクが高まって金利が上がるという悪循環に陥ってしまう」


「国債」を発行し続けることは、将来世代にツケを回すことにもなりかねません。


父親(30代)
「子どもの世代には、そういうのはなるべく残したくない。私たちの代で終われれば良いのかなと」

母親(20代)
「考えた方がいいのは分かってるけど、今の生活、目の前のことで精いっぱいなので、考えなきゃいけない問題ではあるんだろうけど」


トラスショックの“二の舞”懸念も?

小川彩佳キャスター:
2026年度予算案の約4分の1を国債、つまり借金で賄うということになります。


東京大学准教授 斎藤幸平さん:
まず認識しなければいけないのは、アベノミクスのデフレの状況下と全く違うということです。日銀が異次元の緩和をやめて、金利のある世界に戻ってきているわけですから、これから国債には必ず金利がかかってくるということで、利払いが財政を圧迫していくことになるわけですよね。

それにも関わらず、こうした放漫財政を続けていくと、どうなるかということで一つ参考になるのが、イギリスのトラス前首相が引き起こしたいわゆる「トラスショック」です。


トラス氏は50年来規模で最大の減税をして、拡張的な財政出動をしようとしましたが、財源がないということで、国債の下落・通貨安・株安の「トリプル安」になってしまい、45日で辞任に追い込まれました。

日本との違いとして、イギリスはすぐに首相を辞めさせました。一方で高市総理は非常に人気が高いので、このままズルズルいくと、(イギリスと)同じような状況になってしまうかもしれません。

ただ円安が進んでインフレが加速し、人々の暮らしも厳しくなれば、日本の会社などもどんどん外国に買われてしまいます。それで本当に保守なのかという気持ちも、出てくるかもしれません。

減税しても円安とインフレが進みますし、利上げをすると今度は財政悪化と経済失速、右に行っても左に行っても結局いろんな問題が出てきてしまいます。これがある種のアベノミクスの遺産と言ってもいいかもしれません。


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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授 専門は経済・社会思想
著書「人新世の『資本論』」


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