先週発表の平均価格が、最高値を更新した「コメの価格」。値下がりするという見通しが強まっているのにもかかわらず、なかなか下がりません。なぜこうしたことが起きているのでしょうか。
コメ価格 過去最高値を更新 パックごはんも値上がり
日比麻音子キャスター:
9日に発表されたコメのスーパー平均販売価格(2025年12月29日〜2026年1月4日)は、5kgあたり4416円と過去最高値を更新しました。
TBS報道局経済部 農水省担当 和泉砂絵 記者:
年末年始を挟んでいて、開いている店が少なかったことなどの特殊な要因は絡んでいますが、それでも高止まりしている状況です。
日比キャスター:
パックごはんも値上がりしてます。
▼はごろもフーズ(4月1日出荷分~)
「パパッとライス こしひかり」200g
税抜き 262円→283円
▼サトウ食品(3月2日出荷分~)
「新潟県産コシヒカリ」200g
税抜き 263円→296円
なぜ価格が下がらない?流通ルートの途中に在庫
日比キャスター:
なぜコメの価格が下がらないのか、いろいろな事情があるようです。
コメの主な流通ルートは【農家→集荷・卸売→小売】という流れになっていますが、現在は、「集荷・卸売」でコメが止まっていて、在庫が大量にあるといいます。
TBS報道局経済部 和泉記者:
集荷業者・卸売業者に、2025年に収穫されたコメの在庫が溜まっている状況です。
この在庫が安く流れていくのではないかとして、10月ごろから「3か月後には落ち着いていくのではないか」という見通しになっていましたが、安くなっていないのが現状です。
日比キャスター:
集荷・卸売業者は、2025年の“集荷競争”で価格の高いコメを大量に仕入れましたが、売れなくて在庫が余っている状況だといいます。
ただ、大きく値下げすると損失になってしまうので、“売りたくても売れない”状況が続いているということです。
TBS報道局経済部 和泉記者:
高い価格のコメが売れない状況なので、値下げをして売っていきたいところではあるそうですが、一気に売ると損になってしまいます。
中小の卸売業者によると、他の業者の動向を見ながら少しずつ価格を下げていく方針だといいます。こうした状況があり、店頭価格は実感がわくほど下がっていないのが現状です。
政府による備蓄米の買い入れも影響か
日比キャスター:
さらに、備蓄米も影響しているようです。
通常、備蓄米は政府が業者からコメを買い入れて、凶作や災害など緊急時のため保管するものです。
2025年は政府による買い入れがありませんでしたが、2026年から再開されます。
政府が備蓄米として新米を買い入れると、市場の流通量が減るため、その分、溜まっている2025年のコメの需要が増えるとみられています。
「大きく値下げしなくても売れる」という期待もあるため、在庫のコメを出し切れないという状況だということです。
「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
流通業者も困っていると思います。他の業者が価格を下げないうちに下げてしまうと、利益がでません。
鈴木農水大臣は「価格はマーケットの中で決まるもの」と繰り返していますが、これは「国は何もしない」ということを意味すると思います。
国が備蓄米についても具体的な方針など示せば、動きを見越して業者も動けますが、「何もしない」と言われたら、業者も何もできません。農水省がはっきりとした方針を出さない限り、この状況が続くおそれがあります。
TBS報道局経済部 和泉記者:
鈴木農水大臣は、これまで「価格はマーケットの中で決まる」「価格にコミットしない」といった発言をしていて、そうしたスタンスが続いています。
いつ安くなる?3月の決算時期に注目か
日比キャスター:
価格が高止まりしている要因は「小売」にもあるようです。
これまで小売店は、販売価格を抑えるため、仕入れ価格が高くても利益を削って販売していました。ここ最近、仕入れ価格が下がり始めているものの、利益を確保するために販売価格を下げられないという状況です。
TBS報道局経済部 和泉記者:
小売関係者は、「仕入れ値が大きく下がる時期が読めないので、いつ店頭価格に反映させられるかわからない」としています。
コメ価格がいつ下がるのかという点については、分からない部分が多いのですが、「3月の決算」の時期は一つのポイントとなるとみられています。
業者は借金をしてコメを集めることもあるため、決算前に、赤字覚悟でコメの在庫を売り切りたいという業者もいるとみられます。“投げ売り”によって価格が下がる可能性もあります。
宮城大学名誉教授で農業経済学者の大泉一貫氏は、「価格は3月以降、4000円を切ってくる可能性もあるのでは」としています。
さらに、新米が出てくることを見越した投げ売りが加速する場合は、さらに下がって3500円台になる可能性もあるとみています。
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<プロフィール>
和泉砂絵
TBS報道局経済部 農水省担当
今月着任 農水記者としては「新米」
堤伸輔さん
国際情報誌「フォーサイト」元編集長
BSーTBS「報道1930」ニュース解説
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