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悪いだけじゃない!「メラニン」は必要不可欠

2017-03-14 21:30:40


執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
「シミのもと」といわれるメラニン。シミが気になる女性にとって、メラニンは悪いイメージしかないかもしれません。
しかし実は、メラニンには重要な役割があるのです。
そこで今回は、あまり知られていないメラニンの役割についてご説明します。

メラニンとは?


メラニン(メラニン色素)は、その名の通り「色素」のことで、肌や目、髪の色を決める上で大きな役割を果たしています。
ヒトのメラニンは、次の2種類のメラニンが複合してできています。

ユーメラニン


黒色のメラニンで、「真性メラニン」ともいいます。
肌や髪の色が黒い人は、ユーメラニンの比率が大きいといわれています。

フェオメラニン


黄色のメラニンで、「黄色メラニン」ともいいます。
色白の人はフェオメラニンの比率が大きいといわれています。
人種による肌や目、髪の色の違いは、この2種類のメラニンの比率によって決まります。
それではこのメラニン、どのようにして作られているのでしょうか?

メラニンはどうやってできるの?


メラニンは、皮膚の「基底層」にある「メラニン細胞(メラノサイト)」の中で作られています。
皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織という3つの構造をしています。
このうち、表皮はさらに4つの層に分かれていて、一番真皮に近いところにあるのが「基底層」です。
基底層は、「角化細胞(ケラチノサイト)」やメラニン細胞などで構成されています。メラニン細胞は、この基底層とその奥の真皮にややはみ出して存在しています。
メラニンは、紫外線を浴びることで生成が促されます。
紫外線の情報は、角化細胞からメラニンへと伝達されています。情報を受け取ったメラニン細胞は、アミノ酸のひとつ「チロシン」をもとに、「チロシナーゼ」をはじめとする酵素の力を借りながら、メラニンを生成します。
生成されたメラニンは、メラニン細胞の樹状突起を通って角化細胞へと送られます。
角化細胞に貯蔵されたメラニンは、肌のターンオーバー(古くなった細胞が肌の表面に押し上げられ、はがれ落ちる肌の新陳代謝のこと)によって、肌表面へと上がり、最終的に垢(あか)としてはがれ落ちます。
しかし紫外線の量が多く、メラニンがたくさん生成されてしまったときや、不規則な生活習慣や加齢によって肌のターンオーバーのサイクルが遅くなっているときには、生成されたメラニンが色素沈着を起こしやすくなります。
そして、この色素沈着こそがシミの正体なのです。

メラニンの役割


多くの人が認識しているように、確かにメラニンはシミの原因となります。
しかし、本来メラニンには身体を守る重要な役割があります。どのような役割があるのか、ご説明します。

紫外線から肌を守る


メラニンの最も重要な役割は、紫外線から細胞を守ることです。
先ほどお話ししたように、メラニン細胞の中で作られたメラニンは、角化細胞に送られ、貯蔵されます。
このとき、メラニンは、角化細胞の上方に集中しますが、これは角化細胞内のDNAを紫外線から守るためです。
また、ユーメラニンはとくに、紫外線に対抗する力が強いといわれています。
皮膚がんは、黒人よりも白人に多い病気ですが、これはユーメラニンの量が少ないことが関係していると考えられています。

活性酸素の吸収


活性酸素は、強い酸化力を持つ酸素のことです。活性酸素には、体内に侵入した細菌を攻撃し、身体を守る役割があります。
ところが、活性酸素の量が増えすぎると、老化を促進したり、細胞を傷つけてしまうことがわかっています。
活性酸素が増える原因はいくつかあります。
たとえば、紫外線は活性酸素を増やすことが分かっています。
また、ニキビや吹き出物ができたときも、これらの原因となる菌を攻撃するために活性酸素が増えます。
そして活性酸素が増えると、メラニンの生成も増えるといわれています。
これは、メラニンには、活性酸素を吸収し、細胞へのダメージを軽減させる役割があるからです。
つまり、紫外線によってシミができたり、ニキビの後にニキビ跡ができるのは、活性酸素から細胞を守るためにメラニンがたくさん生成されたということなのです。
活性酸素は、お肌にハリやツヤを与える「コラーゲン」や「エラスチン」を攻撃し、シワやたるみなどの原因にもなるため、メラニンは肌の老化を防ぐ役割もあるといえるのです。
ここまでお話したように、メラニンは身体にとって不可欠な存在です。
メラニンが過剰に生成されると、シミの原因となってしまうことには変わりませんが、きちんと紫外線対策をすることで、そのリスクは減らすことができます。
また、肌のターンオーバーを遅らせる生活習慣の乱れもメラニンの色素沈着を招く原因になります。
身体にとって必要なメラニンと上手につき合っていくためには、普段の生活を見直すことが大切であるといえるでしょう。
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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