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少子化でも生徒が集まる!企業の採用担当者にも注目される「オンライン大学(通信制大学)」

2025-03-04 17:00:04

少子化の影響により、知名度の高い有名大学を含む大学全体が、大きな転換期を迎えていることをご存知でしょうか。

その一方、大人の学び直しやリカレント教育が広がりを見せ、柔軟な時間設定や場所に縛られない学修環境等、多様な学びのスタイルを提供するオンライン大学(通信制大学)への需要は高まっています。こうした背景を踏まえ、サイバー大学が、過去1年間に採用業務を担当した経験のある1,100人を対象に「オンライン大学卒業生の採用事情に関する調査」を実施。近年需要が拡大しているオンライン大学について、採用経験者がどのように捉えているかが明らかになりました。

またこの調査の結果を受け、サイバー大学の担当者に、オンライン大学の実情について聞きました。

■最新の採用市場は?オンライン大学に対するイメージとその実態

まずこの調査でわかったのは、企業の採用担当者の約8割(80.8%)が、自社の人材不足を実感しているということ。直近1年間の採用活動についての質問には、約4割(40.5%)が「直近1年で十分な採用活動ができなかった」と回答し、売り手優位の就活市場が続くなか多くの企業が人材不足に悩んでいる現状が浮き彫りになりました。

次にオンライン大学に対するイメージを聞いたところ、トップ3は「自律的に学ぶ姿勢が強い学生が多い(30.6% )」「ITリテラシーが高い学生が多い(27.1%)」「多様なバックグラウンドの学生がいる(23.6%)」という結果に。

この結果を受け、サイバー大学の広報担当者に実際にはどんな生徒が多いか聞いてみると、調査結果でもトップに挙げられた通り真面目でコツコツと学びを進める学生が多いそうで、「オンラインでの学習には高い自己管理能力が求められますが、大学のサポートを活用し、着実に学んでいる学生が多数を占めています。」とのこと。また、「自由な学びのスタイルが実現できるため、多様なバックグラウンドを持つ学生が在籍しています。社会人、18~22歳の若年層、家事や育児と両立しながら学ぶ方、セカンドライフとして学びを志す方など、さまざまな学生が学んでいます。」とも言い、おおむねイメージ通りであることが分かりました。

一方、採用担当者から懸念点としてもっとも多くあげられたのは「協調性やコミュニケーション能力に不安がある(31.1%)」。オンライン大学の学生は、“自律性”や“ITリテラシー”、“多様性”といった現代的な価値観に適応する強みがある一方で、採用業務経験者は“協調性”や“コミュニケーション能力”といった対人スキルに不安を抱いていることが分かりました。

そこでオンライン大学卒業生を新卒または中途採用した経験がある443人に採用後のパフォーマンスについて尋ねたところ、「非常に良い」「良い」と回答した割合の合計が68.2%に達するという結果に。「悪い」と評価する人は少なく(3.4%)、オンライン大学卒業生の入社後のパフォーマンスが高く評価されていることが分かりました。

■一般的な大学(通学制大学)とオンライン大学で違いはある?

続く、通学制大学の卒業生と比較してオンライン大学の卒業生をどのように評価するかの調査では、「即戦力として活躍できる(23.5%)」と評価している採用業務経験者がもっとも多いことが明らかに。「リモートワークへの適性が高い(19.5%)」「柔軟性や適応力がある(18.4%)」といった回答を挙げる採用業務経験者も多く、変化の激しい現代の労働環境に適応できる資質が評価されていると推察できます。

また、「通学制・オンライン大学どちらでも個人の能力次第だと感じる(17.5%)」や「どちらの大学出身者も評価に差をつけていない(16.9%)」という回答も見られ、企業が学歴に縛られることなく実力を重視した採用を進めていることがうかがえ、オンライン大学の卒業生も評価される機会が増えていることが分かりました。

最後に、今後オンライン大学卒業生の採用を増やす意向があるか調査したところ、約4割の採用業務経験者がオンライン大学卒業生を今後積極的に採用したいと回答し、オンライン大学卒業生の需要が今後さらに増加する可能性が高いことが分かりました。オンライン教育が提供するスキルや特性(例えば、自律性やITスキル)が企業のニーズに適合していると認識されていることが、この結果に反映されていると考えられます。

サイバー大学によると、同大学の2024年3月卒業生(新卒)のうち、卒業時の年齢が24歳以下の学生の就職率は95.8%。特にIT・ビジネス分野は人材ニーズが高く、これらの分野を学んでいることが強みとして企業に評価されているようです。また、フルオンライン大学という環境で自己管理能力・実践力を養っている点も高評価で、IT以外の業界や、倍率の高い企業への就職を実現する学生も増えているそうです。

■今後ますます注目されるオンライン大学

サイバー大学は、2007年に日本初のフルオンライン大学として開学しましたが、2025年現在、オンラインで学べる大学や講座が開学当時とは比較にならないほど増加しています。パンデミック以降、リモートワークやオンライン学習が普及し、オンライン教育への関心が高まったことを契機に、今後もオンライン大学の需要はさらに増加すると予測されます。

オンライン大学が選ばれる理由には、まず学習環境の柔軟性が挙げられます。オンライン大学は、時間や場所に縛られることなく学べるため、働きながら学ぶ社会人や、地理的な制約を受ける人々にとって非常に魅力的な選択肢です。また、インターネット環境の整備やオンライン教育プラットフォームの進化により学習の質が向上し、学べる分野や内容も広がりました。これにより、オンライン大学では専門的かつ多様な分野において、個別のニーズに応じたカリキュラムが提供できるようになり、学生は自分のペースで学習しながら、必要なスキルや知識を効率的に身に付けることが可能となります。特に今社会的なニーズの高いAIやIoT、DXといった分野はオンラインでも高度な学習が可能なため、学ぶ方が増えています。

このように、学ぶ環境のみならず内容に関しても自由度の高いオンライン大学は、今後もますます需要が増えていくと考えられています。

また、採用シーンにおいても、通学制・オンライン大学どちらの大学を卒業しているかで評価されるのではなく、学生生活において、何をどのように、どれくらい学んできたかが評価される機会がますます増えていきそうです。

【調査概要】
※本調査結果をご利用の場合は、「サイバー大学調べ」のクレジット表記をお願いいたします。
・調査対象 : 全国の経営者/役員/会社員(事務系)のなかで、過去1年間に採用業務を担当した経験があると回答した方。20代~60代。
・回答数  : 1,100人
・調査期間 : 2024年12月18日(水)〜26日(木)
・調査方法 : インターネット調査

【話を聞いた人】
サイバー大学 広報担当者

サイバー大学は、福岡市が内閣府から認定を受けた構造改革特別区域計画を活用し、文部科学省の認可を受け、2007年4月に開学した株式会社立の通信制大学です。「情報革命で人々に学習の機会を」を理念に掲げ、現代社会に必要なITとビジネスが学べるIT総合学部を設置。独自開発したeラーニングプラットフォーム「Cloud Campus」を活用して、いつでも自分の都合にあわせて学修できるオンデマンド形式の授業を展開しています。その他、学生同士や教員との交流やサポートもすべてWeb上で行うデジタル大学です。

情報提供元: マガジンサミット

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