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コメ価格安定への“切り札”? 「田植えのコストかからない」1回の田植えで2回収穫“再生二期作”に熱視線 メリット・デメリットは【news23】

経済
2025-07-11 11:41

コンビニおにぎりの平均単価が200円に迫る中、コメ価格安定の切り札として注目されているのが「再生二期作」です。1回の田植えで2回収穫するというもの。今年初めて「再生二期作」にチャレンジするという農家を取材しました。そのメリットとデメリットは?


【写真を見る】二期作と再生二期作の違いは?


ローソンのおにぎりリニューアル 値段は約1割値上げに

10日、ローソンが発表したのは、海苔つきおにぎりの13年ぶりのリニューアル。


新たな製法で“ふんわり”とした食感に。これまでと同じごはんの量でも、体積が約3割アップしています。ただ、しゃけのおにぎりは203円から18円引き上げ、221円と、お値段も約1割値上げに。


コメや海苔の値上がりで、コンビニおにぎりの平均単価はこの4年で上昇。141円程度だった価格は、最新で199円に達しました。


女性
「昔より手軽に買えなくなってしまったので、高いものを少量。2個買っていたのを1個高いものにするとか」

男性
「全部が高くなっているので、もう致し方ないのかなっていうのは実際ありますね」


コメの価格を安定させるには“増産”も一つの手です。

生産性を上げようと、新たなチャレンジをする農家がいます。


コメ価格安定へ 「再生二期作」に熱視線

千葉県柏市にある水田。稲穂はすでに実り始めていますが…


柏染谷農場 染谷茂 代表
「穂が出たので、これだったらあと1か月ちょっとで刈ります。再生二期作、同じ稲を使って2回とる」


「二期作」とは、春先に1回目の田植えをし、初夏に収穫。夏に2回目の田植えをして秋に2回目の収穫をするというもの。温暖な沖縄などで盛んに行われています。

一方、「再生二期作」とは、1回目の収穫をした後、同じ株から再び穂を実らせ、2回目の収穫をするというもの。田植えが1回ですむのでコストダウンすることができます。


柏染谷農場 染谷茂 代表
「(田植えの)コストがかからない。あとは追肥・水管理それだけ」


染谷さんの田んぼは東京ドーム32個分。農道やあぜ道で細かく分けられていて、田植えの際には、その都度農道などに乗り上げなければいけません。全ての田植えを終えるには2か月ほどかかるといいます。

今年は全体の1割で再生二期作を行い、8月に1回目の収穫をし、11月ごろに2回目の収穫をする予定だといいます。


柏染谷農場 染谷茂 代表
「再生二期作という言葉を聞く前に、刈った後かなりいい穂が出た時がある。管理すれば、それなりに収量があがるって話が出てきた。それをやって、少しでも収量上げていこうかって。コメを作ってるんだから、コメを出来るだけ作ることも自分の仕事かなって」


すでに再生二期作は各地で行われています。農研機構が福岡県で行った実験では、再生二期作の合計の収穫量は平均の2倍を超え、味も1回目、2回目ともに一般的なコシヒカリと比べても、遜色はなかったと言います。


一方で、長い期間大量の水の確保が必要となります。また、2回目の稲穂は短く、通常のコンバインでは刈り取れない場合もあるといいます。

「再生二期作」はコメの価格安定の“切り札”になるのでしょうか。


「再生二期作」は コメ価格安定の“切り札”となるか

小川彩佳キャスター:
「再生二期作」に期待が高まりますが、“切り札”になるかというと、どう思われますか。


教育経済学者 中室牧子さん:
福岡県など、いくつかのところで、すでに収量が増えているということが確認されていますが、私は「再生二期作」による生産増で需給ひっ迫をやわらげるという可能性はあると思います。でも、価格を一気に戻すほど生産できるのかといわれると、課題もあるのではないのかと思います。

1つはやはり2回刈らきゃいけない分、労力がかかります。もう1つは、新しいコンバインを使わなければいけないということで、そこにかなりの設備投資をしなきゃいけないし、それを使うための技術も獲得しなくてはいけません。

今、日本のコメの生産農家さんは平均年齢が69歳で、非常に小規模なところが多いので、新しい機械に対する設備投資や技術の獲得みたいな投資判断というのはかなり難しい状況にあるのではないかと思います。

やっぱり高温耐性のある品種の普及や、水や肥料の管理のスマート化、収穫後の備蓄流通の平準化というようなこともセットで行い、増産をするということが今後は必要になってくるのではないかというふうに思います。


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<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」


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