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「所得把握」への国民の理解がカギ?食料品「消費税ゼロ」と“年収に応じた給付” 議論本格スタート 課題は山積【Nスタ解説】

経済
2026-03-25 21:04

高市総理が実現に強い意欲を示す食料品の2年間消費税ゼロと給付付き税額控除。与野党などによる議論が本格的にスタートしましたが、課題は山積しています。いつ頃、どのような形で実現するのでしょうか?


【イメージ】所得に応じた給付を 「給付付き税額控除」の仕組み


消費税ゼロ 本当に実現する?自民党内からも慎重意見

高柳光希キャスター:
国民会議で与野党や専門家による議論が本格的にスタートしました。
高市総理が目指すのは、6月ごろに国民会議で「中間まとめ」を提出し、秋の臨時国会での審議などを経て、26年度内での実施を目指しています。

このままスケジュール通り進みそうでしょうか。


TBS報道局経済部 財務省担当 蓮井啓介 記者:
なかなか難しそうだと感じています。国民会議での議論は進んでいるけれど、財源・開始時期・外食離れなどの課題が山積みで、その解消への議論が進んでいないのが実情です。


高柳キャスター:
これまで国民会議では、業界団体や経済界から様々な意見が出ている状況です。


例えば、小売り・百貨店協会などからは、レジシステムの改修に最低でも1年程度かかります。2年限定の減税だと、改修したとしても再び税率変更となるため、費用対効果が悪いという見方もあります。


さらに、野党からも意見が出ています。

国民民主党・古川衆院議員は、困っているのは今だということから、「実施に1年かかるなら足下の物価高対策にならない」という声が上がっています。


自民党内からはどのような意見が出ているのでしょうか。


蓮井啓介 記者:
自民党内からも、消費税減税について慎重な意見が相次いでいます。「消費税減税をすることで社会保障の財源が削られる」や、地方の財政も厳しくなっているのでその部分を不安視する声、また「後悔しないよう慎重にやってもらいたい」という声が多数を占めています。


高柳キャスター:
与野党の中からは色々な声が出ている中、高市総理は実現になんとかこぎ着けたいという感じでしょうか。


井上貴博キャスター:
課題はあって当然だと思います。大枠の考え方として、今までの日本は一度上げた税率は下げられないという不文律があった気がします。しかし、ヨーロッパを見ると、その時々の状況で税率を上げ下げしています。

個人的に柔軟な考え方は良いと思いますが、国民会議が始まる前は、今ほどイラン情勢は悪化していなかったので、今のイラン情勢を見た時に、10兆円をどこに使うのかという部分は丁寧に議論していただきたいと思います。


経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
25日の午前中に政府関係者に近い方に聞くと、高市総理自身は「消費減税はやる気だ」というお答えでした。


今回、消費減税と給付付き税額控除を同じ時期に議論を進めていくことがポイントだと思います。

消費税減税については、反対派の方が内部にいらっしゃるので、やるとしても本当に2年で終わるのかという点が見えません。


しかし、給付付き税額控除は後々やるので、「必ず2年で終わらせますよ」と同時に話をしていると思います。

加えて、給付付き税額控除は国民の中でも所得を把握されることに対する抵抗感から反対派が多く、議論が進みませんでした。しかし、「結果的にやらないと、公平な制度は作れない」という議論が熟すのに多分2年ぐらいかかるので、同時に進めていくことが、実はポイントなのかなと思います。


10兆円の財源はどこから?

高柳キャスター:
さらに気になるのが、消費税ゼロとなった場合の財源です。年間で5兆円、2年間だと10兆円規模となります。この点について話は進んでいるのでしょうか。


蓮井啓介 記者:
財源が一番大きなハードルですが、まだ国民会議においては進んでいない状況です。

そもそもガソリン暫定税率廃止や教育無償化など、代わりの財源の1兆円が十分に確保できていない状況です。その中で、新たに10兆円の財源を確保することは難航しています。


井上キャスター:
財務省の本音として、10兆円を確保できるということはないのでしょうか。


蓮井啓介 記者:
時限的に10兆円を出すことはできるのかもしれませんが、2025年までの1兆円を探す作業がまだ残っています。

一気に10兆円を確保できるほど、お金が湯水のごとく湧いてくるわけではないのが実情です。


出水麻衣キャスター:
基金の見直しは進んでいるのでしょうか。


蓮井啓介 記者:
補助金の見直しという作業も、片山財務大臣のもとで進められています。

ただ基金に関しても、湯水のごとく積んであるわけではありません。基金は今回ガソリンの補助金にも使っており、必要があるものに充てているので、余っているというわけでもありません。


困っている人に支援ができる“年収に応じた給付” 実現可能?

高柳キャスター:
ハードルの高い「消費税ゼロ」の案ですが、総理自身がもうひとつ強い意欲を示しているのが「給付付き税額控除」です。


2月25日、高市総理は、あくまで「食料品の消費税率ゼロについては、給付付き税額控除の実施までの2年間に限ったつなぎ」と話していました。

この「給付付き税額控除」とはどんなものなのでしょうか。


蓮井啓介 記者:
「給付付き税額控除」とは、簡単に言えば「年収に応じた給付」。一律に同じ額を渡すのではなく、所得に応じた給付という意味なので本当に困っている人に支援が出来る仕組みで、諸外国では既に行われています。


例えば、年収300万円の人には手厚く10万円の給付を行う一方で、年収が600万円以上であれば、給付の額は下がります。


ピンポイントで困っている人に支援ができるという仕組みになります。


食料品の消費税ゼロは高所得者に効果(優遇)がありますが、給付付き税額控除は低・中所得者の支援が目的です。

国民会議に参加した有識者からは、「早く導入した方がいい」「高所得者を優遇する必要はない。給付付き税額控除の導入を急ぐべき」という声も聞こえてきます。


井上キャスター:
給付付き税額控除は個人的には賛成ですが、年収に応じた給付を行うということは、裏を返すと年収をしっかり把握しなければいけません。そのシステムにある程度時間がかかり、2年では実現不可能だという意見もあります。


馬渕磨理子さん:
ここは国民の協力も必要だと思います。日本全体のことを考えると、みんなが協力することによって、真に不公平感がない制度をみんなで作っていきましょうということだと思います。


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<プロフィール>
蓮井啓介
TBS報道局経済部 財務省担当
“責任ある積極財政”・消費減税を取材

馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事 “日本一バズる”アナリスト
様々なお金の話をわかりやすく解説


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