法務省は、今年の「犯罪白書」を公開しました。去年1年間の刑法犯の認知件数が70万件を超え、2年連続の増加となりました。
今年の「犯罪白書」によりますと、去年1年間の刑法犯の認知件数はおよそ70万3300件で、前の年よりおよそ10万2000件多くなりました。
刑法犯の認知件数は近年、減少傾向にありましたが、おととし、20年ぶりに増加に転じていて、2年連続の増加となりました。
具体的には、▼窃盗がおよそ48万3700件と全体の7割ほどを占めたほか、▼傷害がおよそ2万2100件、▼詐欺がおよそ4万6000件と、いずれも前の年より1割から2割ほど増えています。
中でも、特殊詐欺については3年連続で増加していて、法務省は「社会問題となっている『闇バイト』が影響している可能性がある」としています。
このほか、去年7月に改正刑法が施行され、「強制性交」から改められた「不同意性交」についてはおよそ2700件と、前の年より6割以上増加しています。
この点について、法務省は「構成要件の変更や性交同意年齢の引き上げ、性犯罪被害の相談がしやすい環境の整備が背景にある」と分析しています。
一方、刑法犯の検挙人数も去年1年間でおよそ18万3200人と19年ぶりに増加に転じています。
10代と20代が全体の70%以上を占める大麻取締法違反や、法改正が議論されている危険運転致死傷の検挙人数も、統計が始まって以来最多となっていて、法務省は「情勢に注視する必要がある」としています。
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