トランプ大統領は日本に対し、関税を25%に引き上げるという書簡を送り、波紋が広がっています。
TACO=「トランプはいつもチキンのようにビビってやめる」
アメリカの民主党が政権批判に使った合成画像では、トランプ大統領がニワトリの着ぐるみを着ています。添えられた文字は「TRUMP ALWAYS CHICKENS OUT」。略して“TACO(タコ)”。
意味は「トランプはいつもチキンのようにビビってやめる」です。
今、このトランプ氏を揶揄する言葉が、アメリカメディアや金融市場の間で広がっているのです。
二転三転するトランプ大統領の言動
実際にTACOと言われるトランプ氏の言動を振り返ってみます。
4月9日、世界に相互関税を発動しましたが、ドル・株・国債のトリプル安に見舞われると、わずか半日で上乗せ分の一時停止に追い込まれました。
一方で、中国に対しては100%以上の関税をかけ合う事態になりましたが、5月12日、双方が関税を大幅に引き下げることで合意。
EUに対しても「50%かける」と脅しましたが、これも2日後に延期を決定。
そして今回、日本などに送った書簡では、自ら設定した相互関税の一時停止期限を再び延期して、7月9日から8月1日としたのです。
個人的な恨みも...新たな税率を通告
今回、トランプ氏が書簡で各国に示した新たな関税率は、▼日本は25%、▼ラオスやミャンマーは40%、▼EUは一律30%としました。
最も高いのがブラジルの50%。アメリカはブラジルに対して貿易黒字にもかかわらず、高関税を課したのです。
トランプ氏は書簡で、自らと親交の深い「ボルソナロ前大統領の起訴」を批判していて、個人的な恨みが背景にあるようです。
参院選後がヤマ場 安倍政権時に“決着”したが…再びターゲットに
今後、日米の協議はどうなるのでしょうか。山場は参議院選挙の後に訪れそうです。
トランプ氏は2019年、蜜月だった安倍政権に対し、今回と同様に自動車の追加関税をちらつかせ、日本に市場開放を迫りました。
当時、トランプ氏はSNSに「多くのことは7月の(参議院)選挙が終わるまで待つことになる」(2019年5月26日)と書き込み、実際、選挙の後に日本は大幅な譲歩を迫られました。アメリカ産牛肉・豚肉の関税の大幅な引き下げや、小麦の輸入拡大などを決めたのです。
こうした譲歩と引き換えに、注目の自動車について、安倍総理(当時)は「アメリカは追加関税をかけない。トランプ大統領から確認をとりました」と説明しましたが、それにもかかわらず今回のトランプ関税で、再び自動車が追加関税のターゲットとなったのです。
トランプ氏vs.石破氏 チキンレースの行方は?
TACO=「チキンのようにビビってやめる」と揶揄されたトランプ氏。
チキンをめぐっては「チキンレース」という言葉もあります。お互いクルマに乗って崖などに向かって走り、先にブレーキを踏んだ方を「チキン」、つまり臆病者とみなすゲームのことです。
「TACOと二度と言うな」と不快感を示すトランプ氏と、「なめられてたまるか」という石破氏。2人はまさに今、チキンレースを演じているのかもしれません。
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