「恋愛依存症」に見られる24の傾向
2016-09-21 21:30:24
執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
ドラッグは当初、人をいい気分にさせます。しかし、徐々に心身をむしばみ、やがては苦しみに変わります。
恋愛依存症も同様に、愛することの幸福がいつしか苦痛の元凶に変貌していくところに依存性があります。
物質依存、プロセス依存に対して、恋愛依存症は人間関係依存に分類されています。今回はこの恋愛依存症について、詳しく見ていこうと思います。
恋愛依存症の4つのタイプ
共依存
相手に振り回され、相手をコントロールしなければならないという強迫観念にとらわれている、女性に多いタイプと言われます。
相手から必要とされることを必要とする、私だけが彼を救えると救済者になりたがる、相手を放っておけない、常に自分を後回しにするなど、依存症者に依存することで、結果的には依存を促進しています。
依存という関係に取り込まれて現実を見つめることができなくなっています。
回避依存
共依存者の相手になるタイプで、男性に多いと言われ、恋人との親密な関係を避け、適度な壁が作れないタイプです。
常に相手を支配者したがる独裁者、罪悪感に訴えて相手を利用する搾取者、自分の理想を押し付けるナルシスト、愛が深まるほどに別れたくなる脱走者などが典型です。
ロマンス依存
穏やかで平凡な恋に見向きもせず、空想や波乱万丈にふける、刺激的な愛を求めていくタイプです。
新しくより強烈な刺激・興奮を求めて次から次へ恋を移行していく、気のない相手を振り向かせるゲーム感覚でしか恋愛できない、非現実的・空想的な恋に走るシンデレラ願望などが挙げられます。
セックス依存
性行為や性風俗、性に関するメディアなどセックスにのめりこんでいくタイプです。
恋愛依存症への3つの誤解
恋愛依存症 と聞いて思い浮かぶもの、恋愛依存症にまつわる誤解には、次のようなものがあります。
1.とっかえひっかえの「遊び人」のようなものは一部で、対象がたった一人との恋愛依存もあります。
2.ごく一部の人の特別な病気ではありません。誰もがなりうる可能性があります。
3.大した問題ではないとみなされます。しかし、そうではありません。アルコール依存や過食などのクロス・アディクション(複数の依存症)をかかえていたり、恋愛関係だけでなく、その他の人間関係でも苦労し、適度な距離を保てないことも多々あります。
当てはまるとヤバい24の傾向
誰にでもなりうるだけに、以下のような傾向が多ければ、恋愛や人間関係について見直しをはかって、パートナーとよく話しましょう。
1. 「あの人がいなければ何もできない」と思ったことがある
2. 「あの人なしでは生きていけない」と思ったことがある
3. さびしさのあまり、つい好きでもない人とデートをしたり、関係を持ってしまった
4. 「私の力であの人を変えてみせる」と思ったことがある
5. 多くの友人から「別れた方がいいよ」と言われるのに、どうしても別れられない
6. 相手の愛が手に入らないなら、何か思い切ったことをしてやろうと思った
7. 友人に「あなたのパートナーってひどい人ね」と言われたくないので、話題を避けたり、必死で弁解していることがある
8. セックスをしている瞬間だけが、愛を感じられるときである
9. 自分が追いかけるのはいいが、追いかけてくる相手には全く魅力を感じない
10. あっという間に恋に落ちるが、冷めるのもまたあっという間である
11. 特定の人から(もしくは誰でもいいから)「愛されている」感じが持てないと、自分の存在価値がすべて消え去っていくように感じる
12. 「別れる、別れない」で3か月以上ももめている
13. つくすのはいつも自分で、本当のところ、それに見合った愛は相手から得られていないと思う
14. 自分の人生を素晴らしいものに変えてくれる誰かが、いつかきっと現れると思う
15. 誰かに恋すると、それが生活のすべてになって、他のことはどうでもよくなってしまう
16. 自分さえ我慢すれば、この愛はきっとうまくいくと思う
17. 愛すれば愛するほど、憎しみも大きくなっていくことが多い
18. 「ケンカ→セックス→仲直り」というパターンが多い
19. 誰かから必要とされればされるほど、生きがいを感じられる
20. セックスの後、罪悪感に悩まされることが多い
21. 自分は欠点ばかりの人間だが、パートナーといる時だけはそれを忘れられる
22. セックスの後、とたんに相手の存在が煩わしくなる
23. 恋愛が三か月以上続いたことがない
24. 「なんで私ばっかりこんな苦労をしなければいけないの」と一人で嘆くことが多い
いかがでしたでしょうか。
誰にでも起こり得るこの恋愛依存症。ぜひしっておいてほしいと思います。
【参考】
伊東明『恋愛依存症』KKベストセラーズ、2003より)
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
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情報提供元: mocosuku