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2028年、日本がビットコインの「故郷」になる。官民リーダーが見据える次世代金融のビジョン

2026-03-31 12:00:22

株式会社メタプラネットは、3月25日(水)に「ぴあアリーナMM」にて、日本最大級のビットコインフォーラム「JAPAN BITCOIN FUTURE FORUM(JBFF)」を開催した。

同フォーラムは、ビットコインを基軸とした国家戦略や次世代金融の未来を議論する、本イベントでしか実現し得ないセッションで構成。官民のリーダーによる専門性の高い議論が交差することで、既存の経済システムから新たな金融スタンダードへの移行期における「経済の転換点」を提示し、日本の金融とテクノロジーの未来を示した。

2028年、日本は暗号資産の歴史的転換点を迎えるといわれている。最大の鍵は税制改正だ。現在、最大55%課税される雑所得扱いから、株式同様の20%分離課税への移行が予定されている。同時に法的位置付けも「決済手段」から「金融資産」へと格上げされ、ビットコインが正式に国内金融システムへ組み込まれる方向で検討が進んでいる。

2028年は、制度的障壁が消え、日本が「ビットコイン先進国」として世界へ名乗りを上げる準備が整う象徴的な年と言える。

フォーラム当日は、国家レベルのビットコイン導入を支援するJAN3のCEO サムソン・モウ氏や、衆議院議員の神田潤一氏、ゴールドマン・サックス証券の植木博士氏、Binance JapanのCEO 千野剛司氏、Gateの最高事業責任者ケビン・リー氏など、国内外のキーマンによる対談が実施された。

サイモン・ゲロヴィッチ氏(メタプラネット代表取締役社長)は、拍手の中迎えられ登壇し、開会の挨拶を述べた。今の通貨システムを「50年ほどの試行錯誤の最中」とし、ビットコインを信頼できる「健全なお金」への回帰だと表現。円安やインフレが進む日本において、希少性の高いデジタル資産を持つ意義を説いた。

アジア最大級の保有量を誇る自社の決断を背景に、2028年の国内金融システムへの参入を見据え、日本がこの新時代をリードするチャンスが来たと熱く語りかけた。

続いて、植木博士氏(ゴールドマン・サックス証券 政府関連担当部長)と神田潤一氏が登壇し、「Web3時代の日本の競争力」をテーマに議論が行われた。

二人の会話の中では、日本の「反撃」に向けた具体的な道筋が示された。最大の注目は、ビットコインを国家の準備資産として持つ可能性だ。神田氏は「議論する余地は十分にある」と明言し、海外での導入事例を注視していると語った。また、普及の鍵となる税制改正についても、「2028年までに20%の分離課税を実現したい」と意欲を見せた。

神田氏は、現在進めている法整備の本質をこう説明する。「これまでは『決済手段』としての整備だったが、これからは金商法(金融商品取引法)へ移管し、明確に『資産』として位置付けていく」。

さらに未来の展望として、「AI同士が自律的に取引する時代、その対価のやり取りにはステーブルコインが主要な手段になる」と予測。日本の「三方よし」や「和」の精神は、これからの分散型社会にこそ必要な価値観だと強調した。植木氏も、官民の知見を併せ持つ神田のリーダーシップが、Web3時代の日本の競争力を左右すると期待を寄せた。

ビットコイン技術会社JAN3のCEOであるサムソン・モウ氏と衛藤バタラ氏(イーストベンチャーズ 創業パートナー)によるセッションでは、「ビットコイン、ゲーム理論、そして日本の経済的・戦略的未来」をテーマに、日本のマクロ経済危機をビットコインでどう突破するかが語られた。

モウ氏は、日本の莫大な政府債務と円安、さらにゼロ金利政策がもたらす「富の流出」に警鐘を鳴らした。「日本のゼロ金利政策は、事実上、日本から富を流出させ、世界の他の地域へ資金を供給してしまっている」と指摘。その結果として経済が停滞し、少子化が加速しているとの見解を示した。

モウ氏は、エルサルバドルのビットコイン債券の設計者としても知られている。話題は、そのモウ氏が主導した国家戦略「ビットコイン債券」に及んだ。

「調達した資金の半分でビットコインを買い、残りでマイニングインフラを整える。5年でビットコインが倍になれば元本は完済でき、超過利益は投資家に還元される」

この仕組みを日本も活用できるとし、ボラティリティ(価格変動)を切り離した形での「国家戦略的資産」としての保有を提案した。

さらに、エネルギー問題にも切り込み、「ビットコインマイニングに世界の電力の1%を使うのは、AIの推論に電力を使うのと同様、完全に正当な活用だ」と断言。原子力技術を持つ日本が、AIとビットコイン双方のためにエネルギー基盤を拡充することが、将来の繁栄への道だと説いた。

最後にモウ氏は、法整備が完了する2028年を待つのは遅すぎると強調。「1年遅れるごとにチャンスが失われる。2028年よりも早く、日本がビットコインを戦略的準備資産として保有することを願っている。日本経済の規模を考えれば、ビットコインが未来の重要な一部となるのは極めて理にかなったことだ」と、スピード感を持った決断を促した。

資産形成のコツとして千野氏が挙げたのは、極めてシンプルな「分散」と「長期」だ。「全ての卵を一つのカゴに入れてはいけない。少額の積み立てなどで、日々の値動きに一喜一憂せず向き合うのが得策だ」と述べた。

また、守りの面では「最大のリスクは取引所へのハッキングよりも、個人のパスワード盗難や詐欺だ」と警告。二段階認証などの基本対策こそが、新時代の資産防衛の本質だと説いた。

そして「グローバルから見た日本市場(ケビン・リー × ディラン・ルクレール)」にて、市場が「悪徳業者が淘汰される初期段階」を終え、効率性と合併(M&A)が重要になる成熟期に入ったとの分析が行われた。

リー氏は、暗号資産の一般への普及に向けた「カプセル化」という興味深い概念を提示した。「コンビニのレジで『ビットコインで』と語る必要はない。Apple Payの裏側などで、ユーザーが意識せずに暗号資産を使える仕組みこそが、次の10億人を呼び込む鍵になる」と述べた。

リー氏は、独自の金融文化を持つ日本を「最優先市場」と位置づけ、規制整備で世界をリードする日本のポテンシャルに強い期待を示した。

「JAPAN BITCOIN FUTURE FORUM」の締めくくりとして、ゲロヴィッチ氏は一つの大きな構想を明かした。それは、日本の金融システムが劇的に変化する2028年、日本初となる「ビットコイン・オンリー」の国際カンファレンスを開催し、世界中のコミュニティを日本に招待するというものだ。

かつてインターネットがそうであったように、ビットコインもまた、今まさに私たちの想像を超える未来への入り口に立っている。規制、技術、そして文化。あらゆる条件が整いつつある日本が、世界をリードする「ビットコインの故郷」となる日は近い。そう感じさせるフォーラムとなった。

官民の知見がぶつかり合い、新たな時代の幕開けを強く予感させた本フォーラムは、参加者たちの熱気とともに次なる挑戦への一歩を踏み出し、閉幕した。

情報提供元: マガジンサミット