いまが旬のスルメイカ。漁が最盛期にもかかわらず、「小型のイカ釣り船」は漁に出られないという異例の事態が起きています。豊漁でも休まざるを得ないのは一体なぜなのでしょうか?
【写真を見る】居酒屋「上野イカセンター」の生け簀を見てみると…
スルメイカ「豊漁」なのに、なぜ“休漁”? 最盛期の函館に困惑広がる
今が旬のイカを使った料理が楽しめる都内の居酒屋。名物は生け簀から生きたままさばく、活イカの刺身です。
そしてもう一つ、店の名物なのが、店内の生け簀で行うイカ釣り体験。釣り上げるのは、北海道から直送されたスルメイカです。
しかし、5日夜、生け簀にいたのはアオリイカのみ。店では約2週間、スルメイカの入荷がなく、釣り体験が中止になっていると言います。
上野イカセンタースタッフ
「スルメイカが入らない=今釣りができない状況。お客様の一つの楽しみが提供できない現状がちょっと不安ではある」
スルメイカをめぐっては、近年、記録的な不漁が続いていて、2000年に約30万トンだった漁獲量は、24年度には1.8万トンと9割以上も減少しています。
しかし、2025年は不漁から一転、「黒潮大蛇行」の終息でイカが北上しやすくなったことなどから、豊漁の年となっていると言います。
では、なぜスルメイカの入荷がないのか?その理由は、漁獲枠にあります。
漁師
「収入もなくなってしまった。一刻も早く沖に出たいから何とかしてほしい」
そう不安を口にするのは、“イカの街”として知られる北海道函館市の漁業関係者です。
スルメイカの豊漁の影響で、ほかの地域を中心に漁が進んだ結果、漁獲枠を大幅に超過。水産庁は11月から小型イカ釣り船に対して「漁の停止」を要請。
最盛期が遅い函館があおりを食う形になりました。
函館市 大泉潤 市長
「これからという時に禁漁となってしまう事のショックは大きい。地域としては死活問題でありますので、様々な手立てを講じて頂き、対応をお願いしたい」
水産庁は5日、漁業関係者との審議会を開き…
山本啓介 農水大臣政務官
「漁獲量をタイムリーに把握し、管理することができなかったことが原因」
漁業団体に対して管理の強化を求める一方で、漁獲枠を増やすことを提案。
スルメイカ漁全体の漁獲枠を▼現在の2万5800トンから2万7600トンに引き上げるとともに、停止命令が出ている小型イカ釣り船の枠については、▼4900トンから5757トンに引き上げる方針を示しました。
しかし…
三沢市漁協 熊野稔 組合長
「愕然としています。微々たる増量」
10月時点での小型イカ釣り船の漁獲量は5896トン。増枠後もなお、漁獲枠は超過したままです。
今後も「漁の停止命令」は続くこととなり、水産庁と漁業関係者との溝は深まりそうです。
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